「心不全」になりやすい人の特徴はご存じですか? 気をつけたい病気も医師が解説!
「心不全」になりやすい人の特徴があることをご存知でしょうか? 今回は、どういう人が心不全になりやすいのかについて、「松井クリニック」の松井先生に解説していただきました。
監修医師:
松井 さおり(松井クリニック)
島根医科大学(現・島根大学医学部)卒業。いくつかの病院の循環器科で勤務した後の2011年、静岡県浜松市に「松井クリニック」を開院。「地域の人々のホームドクターとして、健康増進に貢献する」をモットーに掲げている。日本内科学会認定専門医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本医師会認定産業医。
編集部
「心不全になりやすい人」の特徴はあるのでしょうか?
松井先生
まず、心不全の原因として多いのは「心筋梗塞」、次に「高血圧」とされています。心筋梗塞は冠動脈が詰まってしまい、心筋が酸素不足で壊死してしまう疾患です。急性心筋梗塞が起きると急性心不全が引き起こされ、一度発症した人は繰り返し心不全が起こりやすくなります。また、心筋梗塞だけでなく、狭心症や心臓弁膜症を起こしたことがある人も、心不全を発症しやすくなります。
編集部
高血圧と心不全には、どのような関係があるのですか?
松井先生
高血圧が起きていると、心臓は強い圧力で血液を全身へ送り出さなければならず、どんどん心臓は疲弊してしまいます。そのため、心臓のポンプ機能が衰えて、心不全になりやすくなってしまうのです。
編集部
ほかにも「心不全になりやすい人」の特徴はありますか?
松井先生
とくに気をつけたいのは「糖尿病」です。糖尿病になると血液中の糖分が多くなり、その結果、動脈硬化を進行させて、狭心症や心筋梗塞を引き起こします。重症化すると心臓のポンプ機能が低下し、心不全につながることがあります。また、糖尿病が心筋にダメージを与え、心不全を発症させることもあります。
編集部
様々な病気が心不全につながるのですね。
松井先生
はい。そのほかに「腎臓病」も心臓に負担をかけるため、心不全を発症させやすいと言われています。とくに最近では慢性腎臓病(CKD)の患者さんが増えていますから、それに伴って心不全の患者さんも増加していると考えられます。
編集部まとめ
様々な病気が心不全と関係しているとのことでした。特に心筋梗塞や高血圧、糖尿病、腎臓病になっている人は、注意する必要があります。