追いつめられたオリックスで光る「フルスペック」助っ人の存在とは
ゴンザレスは高い守備力でも注目を集めている(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
「SMBC日本シリーズ2023」第5戦は11月2日、阪神の本拠地・甲子園で行われ、オリックスは阪神に2ー6と敗れ、シリーズ2勝3敗と逆王手をかけられた。
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悪夢の8回だった。2点をリードし、継投に入ったチームは好投していた左腕の田嶋大樹から2番手、山崎颯一郎にスイッチ。3試合ぶりの登板となった右腕は味方エラーもからみ、3連打を浴び、2−1と1点差に詰め寄られる。ここでベンチは宇田川優希を投入。3連投となった剛腕に火消し役を託すも一死二、三塁から森下翔太に低めの直球を捉えられ逆転の2点適時打を浴びる。続く主砲、大山悠輔にも連続適時打を浴び、涙の降板となった。
オリックスが誇る剛腕セットアッパー、山崎颯と宇田川の2人でも阪神打線の勢いを止められず、4番手で登板した阿部翔太も坂本誠志郎に適時打を浴びるなど、1イニング6失点と衝撃の結末となったが、試合後のベンチで注目を集めたシーンもあった。
悔しさのあまり涙ぐむ宇田川をベンチで助っ人のマーウィン・ゴンザレスが後ろからそっと抱きしめていたのだ。
この日、「6番・二塁」で先発出場したゴンザレスは4回に相手先発の大竹耕太郎から先制ソロを放つと、守備位置が代わった一塁でも好守を見せるなど、今シリーズは高い守備力でたびたび存在感を示している。
メジャー通算107本塁打をマーク、アストロズ時代には2017年にワールドシリーズを制覇と勝利の厳しさを知る男でもある。内外野を守れるユーティリティプレーヤー、両打ちなどフルスペックさも魅力、ファンの間では「マーゴ」の愛称で定着している。
シーズン打率は・217とふるわなかったが、日本シリーズに入ってからは代打でダメ押しの3点適時二塁打を放った第2戦から4試合連続安打と好調をキープしている。打率・333、1本塁打、4打点と攻守にわたって、奮闘している。
心優しきベテラン助っ人をめぐっては、ファンの間からもSNS上で「来季も残留して欲しい!」「マーゴ、大好き!」と声も上がるなど、好感度は高まるばかり。
逆王手をかけられたチームは本拠地の京セラドーム大阪に戻り、11月4日に運命の第6戦を迎える。先発予想はエース・山本由伸。初戦7失点KOされた右腕が意地を見せるか。好投を支える意味でもゴンザレス含め、ナインの守備の献身にも期待したいところだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]