関連画像

写真拡大

高額献金被害などが問題となっている世界平和統一家庭連合(旧統一教会)について、文部科学省が10月13日、解散命令を請求した。東京地裁が今後、非公開の手続きを経て判断する。

これまで解散命令が出たのはオウム真理教と明覚寺の2件のみ。最高裁で確定するまで8カ月〜3年かかっている。

この問題について30年以上携わる紀藤正樹弁護士は、解散が確定するまでに議論すべきことは山積していると指摘する。特に必要なのは、被害弁済の原資となる財産の保全と、現役信者のケアだ。

「解散後は法人格を失い、宗教団体になります。信徒会など小さい単位の集団や関連団体に分裂することで、財産の所在がつかみにくくなる可能性がある。臨時国会で保全のための特措法をつくるべきです」

今回、解散しないよう求める嘆願書の署名は5万超だった。宗教情報センターが2015年に発表している56万人という国内信者数より大幅に少なく「被害の申し出や脱会する現役信者が出てくることが予想されます」と説明する。

一部が先鋭化することも懸念され「かつてのように無理をした信者の過労死や交通事故、信者同士や親子の争いに発展する危険性もはらんでいる」とし、現役信者の受け皿を用意することが急務だと訴えた。

一方、統一教会はホームページで、「左翼系弁護士団体による偏った情報に基づいた決断」「憲政史に残る汚点」などと厳しく政府などを批判している。

アドバイザーを務める中山達樹弁護士は、自身のブログで信者に対し「今は潔く、負けを認めましょう」と記し、政府や全国霊感商法対策弁護士連絡会を責めるのはやめるよう呼びかけた。「頑張ってきたが、残念な結果になった。反省すべきは反省し、原因を追求して、今後の裁判所での審理に向けて対策を考えていく」とコメントした。