【中日】柳ラスト登板も打線の援護なし 球界OBから指摘される「機能しなかったポイント」
立浪監督は来季も続投することが決まっている(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
中日は9月24日に行われた阪神戦(バンテリンドーム)に延長12回の末、0−0の引き分けのまま終わった。
先発・柳裕也投手は、8イニング3安打4奪三振無失点と好投。しかし打線の援護に恵まれず、今季最終登板で5勝目に手が届かなかった。
【動画】24日の阪神戦、4回二死、ビシエドの打席は遊撃木浪の好守もあり塁に出られず、得点に結びつけられなかった
意地は見せた。8回まで散発3安打、三塁も踏ませず、111球の熱投で阪神打線を封じ込めた。最近は柳が投げると、SNS上でもファンの間から「なんでこんなに援護ないの」と同情の声が上がるほど、打線の援護がないことがクローズアップされている。
後半戦登板10試合で、援護点は4点止まりとなれば、いくら好投しても勝ち星に結びつけるのは難しくなる。
悲壮感すら漂う柳の投球には本拠地のファンも惜しみない声援を送ったが、チームの窮状を招いているのはともにリーグワーストのチーム打率(・236)、本塁打数(67本=いずれも24日現在)など得点力にとぼしい打線の問題もある。
この点に関して球界内からも様々な考察の声が上がっている。
かつて中日にも在籍、楽天の初代監督も務めた田尾安志氏は9月19日までに更新された自身のYouTubeチャンネルで広島OBの達川光男氏と対談。その中で現在の中日の低迷の要因について触れている。
動画の中で田尾氏はかつて中日の監督を務め、編成面も長く担当した森繁和氏と今シーズン、チームの現状について会話を交わしたとして内容を紹介。
中日のチーム事情をよく知る森氏は、チーム浮上の条件に関して「やっぱり外国人次第だと言ってた」という。
今季チームの貧打線を招いている要因の一つに、外国人選手の不振もあるとされる。
ともにドミニカ共和国出身で今季から入団したアリスティデス・アキーノはわずか20試合に出場し、打率・154、1本塁打。後半戦から再度、一軍に合流したオーランド・カリステも40試合に出場し、打率・234、4本塁打にとどまっている。
特にアキーノに関してはメジャー通算41本塁打を誇り、チームに足りない大砲候補と目されながら、本塁打はわずか1本と厳しい成績となっている。
森氏はこのアキーノがクリーンアップなど中軸を打てるようになれば、Aクラスの可能性もあると田尾氏に話していたというが、実際に助っ人不振がチームの成績に直結してしまっている。
今季は立浪和義監督の方針の下、ナインは大幅に若返り、成長過程を支える大きな力として助っ人のパフォーマンスも期待されたが、機能しなかったのが響いたというのだ。
春先には投手陣でもWBCにキューバ代表として出場したジャリエル・ロドリゲスがチームに戻らないというアクシデントもあった。
助っ人に関して投打にわたって誤算続きだったことも最下位に沈むチームの足を引っ張ったようだ。
チームも残り7試合、こうなれば少しでも来季につながる若い力の台頭や明るい材料をファンも期待している。野手も意地を見せられるか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]