「減税にあたると思うが…」年収の壁対策130万円超でも2年まで扶養OKの問題点とは?
9月25日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、月曜コメンテーターで経済評論家の上念司さんと番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、いわゆる年収の壁問題について意見を交わした。
補助金を組み合わせた複雑な仕組みなので分かりにくい
年収が一定額に達すると年金などの社会保険料負担で手取りが減ってしまう「年収の壁」を巡り、政府がまとめた対策パッケージの概要が判明した。基準額を超えても、条件を満たせば一定期間は保険料負担が生じないようにすることなどが柱だ。岸田総理が25日に概要を発表し、10月から順次対策を実施する。「年収の壁」は、会社員の配偶者らパートで働く女性の労働抑制を招き、企業の人手不足を助長するとの指摘があり、政府が対策を検討していた。従業員100人以下の企業で、会社員の夫らの扶養から外れて社会保険料の納付義務が生じる「年収130万円の壁」では、一時的な増収であれば、連続2年までは年収130万円を超えても保険者の判断で扶養にとどまれるようにする。繁忙期の労働時間延長に伴う超過などを想定しており、上限額は設けない方向で検討している。繁忙期の労働時間延長に伴う超過などを想定しており、上限額は設けない方向で検討している。 従業員101人以上の企業で社会保険料の納付義務が生じる「年収106万円の壁」には、企業への助成金で対応する。減る前の手取り水準を回復するとされる年収125万円に向け、従業員の賃上げや、勤務時間を延ばすための複数年計画の作成に取り組んだ企業に、従業員1人あたり最大50万円を給付する。また、配偶者の年収が103万円を超えると配偶者手当が支給されない企業があることから、企業向けのガイドラインなどで手当制度の見直しを働きかける方針だ。
「上念さんはどう感じますか?」 (寺島アナ)
「一言で言うと実質的な所得税の減税にあたると思うんですが、相変わらず岸田総理は補助金を組み合わせて非常に複雑な仕組みにしているので分かりにくいですね。「年収130万円の壁」を超えると実際の手取りが減るから、超えないように働く時間とかを調整しようという人に対して「まあ、そんなことしなくてもいいですよ。2年ぐらいはいいからとりあえず働ください」みたいな制度で、その分、税金を取らないわけですからね、社会保険料も。一応、実質的には減税。岸田総理は「増税、増税」言われてるので、減税を一発やって、ちゃんと増税じゃなくて減税してますみたいな姿勢をアピールしたいのかなと、ちょっと思いました。」 (上念氏)