9月18日「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)、特集コーナーは敬老の日にちなんで「歳の重ね方」をテーマにお届けした。60歳で定年退職して老後を生きる、といった時代が過去のものとなり、88歳のプログラマー若宮正子さん、93歳のゲーム実況系YouTuber森浜子さんらも活躍するいま、歳をどう重ねていくか、重ねた人とどう付き合っていけばいいのか語り合った。

西川あやの「番組オープニングでも紹介しましたが、大正大学が高齢者の方に行なった調査によりますと、敬老の日が『楽しみではない』という方が多いんですって。(キャンパスのある)巣鴨で高齢者100人の方に街頭アンケートをとって、71%にのぼったと。理由は『ひとりぼっちで寂しいから』『特別なことはないから』など、高齢者の孤立さが窺えたほか、敬老の日の本来の意味が失われつつある傾向が見られたということです」

青木理「たとえば1980(昭和55)年のデータだと、65歳以上を高齢者として、高齢者がどういう家族かといえば、およそ半数が三世帯同居だったんです。要するにサザエさん(一家)みたいな状況だった。ところが令和に入って2019、20年になると、独居と夫婦二人を合わせたら半数を超える。かつては孫が『きょうは敬老の日だね!』と言ってごちそうを食べる、といったことがあったけど、いまそんな人はほぼいない」

西川「そう、おひとりの人が多い。『寂しいから』の理由につながっています」

青木「健康で過ごせていれば幸せなんだろうけど、敬老の日でたとえば子供や孫から『お疲れ様!』『長生きしてね!』と言ってもらえても、一緒に食事を、ということはない。敬老の日の意味合いが相当変わってきている、という感じはしますね」

山内マリコ「1980年はちょうど私が生まれた年なんですけど、確かにおじいちゃん、おばあちゃんは三世代同居していました。私は核家族でしたけど。これを理想とすると伝統的家族に戻ってしまうから、独居でも楽しく不安なく過ごしていこう、という方向にグイッと持っていかなきゃいけないんじゃないかな、と思います」

青木「夫婦で暮らしている人はいずれ独居になる。おっしゃるように昔に戻ることはなく、僕らも含めてどんどん独居老人が増えていく。そういう人たちがどう幸せに暮らすのか、どう社会を変えていくのか、というのは深刻に考えなければいけないテーマではありますね」

山内「サザエさん的な時代に育っている、その価値観がある、そういう景色を見ていたからこそ、そうではない『いま』というのが堪えているのかもしれませんね。たとえばバブルを知らなかった若者って貧しさに慣れているから、落差が気にならないじゃないですか」

西川「はい」

山内「それと同じように、家族像が変わった時代を生きているから、どうしていいかわからない、ロールモデルがない生き方になっているのかなと思います」

このほか新聞各紙にも掲載された、活躍する高齢者の方々も紹介した。さらに以前、この番組でも取り上げた巣鴨の落語カフェ「ガモール志學亭」の店長である立川志ららさんのインタビューもお届けした。「おばあちゃんの原宿」と呼ばれる巣鴨だが、現在は「元気なおじいちゃん、おばあちゃんから元気をもらう若者たちも集まってきている」「オシャレなお店、カフェも増えている」とのこと。