ディープインパクト産駒のオーギュストロダン(写真提供:At The Races)

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 ディープインパクトのラストクロップにして、史上19頭目の英愛ダービーW制覇を果たしたオーギュストロダン。次走は現地時間29日に行われるキングジョージVI世&クイーンエリザベスS(英G1)への参戦を予定しており、各社ブックメーカーでも1番人気に設定され、日本のみならず世界から注目を集めている。

 今回はオーギュストロダンを管理する欧州の名伯楽エイダン・オブライエン調教師へのインタビューを実施。オーギュストロダンの今後や日本遠征の可能性、さらに日本産馬の特徴などを聞いた。

──これまで管理したディープインパクト産駒のG1馬であるサクソンウォリアー、スノーフォール、オーギュストロダンは全て日本で種付けされた馬。他の馬との違いは?

「とても素直で調教しやすいです。動きもよく、瞬発力とスタミナを兼ね備えています。大変賢くて、体質もよいです。特別な馬たちです」

──他のディープインパクト産駒や、日本産馬も扱いやすい?

「とても機敏で、軽い馬が多いです。飛びも大きく、身体が強いです」

──日本産馬という事で調教が変わる部分は?

「基本的に欧州産馬と同じように調教します。もともと能力がある馬たちなので、やりすぎないようにだけは気を付けます。持っている力を発揮できるように調整する程度です」

──日本馬が欧州競馬で苦戦する傾向があるが、ヨーロッパで成功するには何が必要?

「日本馬は距離が伸びてもいいですし、道中の走りも前向きです。動きが軽く、息遣いもよいです。気性もよくて瞬発力があります。私が思うにヨーロッパだから特別に何かが必要というわけではなく、良い競走馬に必要な物は世界共通です」

──日本産馬が凱旋門賞などでも成功できると思う?

「はい。疑う余地はありません。私が調教している日本馬の数は決して多くないですが、日本産馬は世界で勝つために必要な要素を兼ね備えていると感じています」

──オーギュストロダンについて、BCクラシック参戦の可能性もあると伺ったが、米国ダートへの適性をどう考えている?

「動きを見る限り、ダートでも問題ないと思います。彼の走りはとても滑らかで、ペースは速くなった方が向きます。スローペースでも大丈夫だとは思いますが、ハイペースで力を最大に発揮します。」

──将来的に日本への遠征や、日本馬との対決の可能性は?

「日本で走ることは夢です。次走のキングジョージ後に秋の予定を決めます。ジャパンCは我々としても勝ちたいレースです。とてもレベルの高いGIなので勝つのは難しく、勝つ能力がある馬を連れていく必要があります。オーギュストロダンを連れていけたら嬉しいです。彼はまだ3歳ですし、素晴らしい馬で力はあると思っていますが、平地シーズンの終わりに行われるレースなので状態は見極めたいです」

──ジャパンCも候補に入っているという事?

「間違いないですが、とても強い馬を連れて行かなくてはいけません。これまで何度か日本に遠征しましたが、全て失敗に終わっています」

──レベルも高く、異国の地でのレースは難しい?

「日本競馬の質はとても高いです。日本馬の世界での活躍を見ればそれは明らかです」

(取材:At The Races)