「ちょっと深刻だな」日本ハム39年ぶり12連敗 球界OBが指摘する大型連敗の「要因」とは
新庄監督はどんな手でチームを浮上させるのか(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
日本ハムは23日のオリックス戦(ほっともっと神戸)に5−7と敗れ39年ぶりの12連敗を喫し、借金は17まで膨らんだ。
昨年ノーヒットノーランを達成するなどしたコディ・ポンセに連敗ストッパーの役目を託すも、1−1と同点の7回に急遽、制球を乱す。先頭の若月健矢に内野安打を許すと一死後、1番・野口智哉には死球、続いて出てきた代打、頓宮裕真には四球を与え、一死満塁とすると、迎えた紅林弘太郎に適時二塁打を許し、1−3と逆転される。
【動画】先発のポンセは粘投していたが、7回一死満塁から紅林に2点二塁打を許す
ここでポンセが降板となると2番手の玉井大翔が絶好調のレアンドロ・セディーニョに4試合連続弾となるダメ押し3ランを被弾。重苦しいムードが漂った。
9回にはアリエル・マルティネスがキャリア初となる満塁弾を放ち、意地を示したが、あと一歩及ばず。チーム39年ぶりの12連敗と負の連鎖を断ち切ることはできなかった。
前半戦は一時4位まで浮上するなど、上位戦線をうかがうかと思えた日本ハムの急失速には球界内からも様々な考察の声が上がっている。
現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務めた高木豊氏は24日に更新した自身のユーチューブチャンネルで球宴明けの2試合の各球団の戦いぶりを振り返っている。
その中で12連敗と苦しむ日本ハムに関しては「ちょっと深刻だな」として、要因には「強烈なエースがいないだけに」連敗が止まらないという見方を示した。
「たとえば山本(由伸=オリックス)、佐々木(朗希=ロッテ)、山下(舜平大=オリックス)」と具体的なパ・リーグ各球団のエースの名前を挙げながら、絶対的な力を発揮するエース不在の影響も大きいとした。
日本ハム先発投手陣は現在6勝とチーム勝ち頭の上沢直之を筆頭にWBCにも出場した伊藤大海、左腕、加藤貴之など試合をしっかり作ることができる投手は多い。実際にチーム防御率はリーグ2位の2・97と安定しているも、ここまで負けが込むとプレッシャーも大きくなってくる。相手打線を封じ込める「絶対エース」の存在が待たれている。
一方でこの日の試合ではミスも足を引っ張った。「9番・遊撃」で先発した山田遥楓は3回、5回と2失策、「8番・二塁」で先発した上川畑大悟も4回に失策と、1試合3失策を記録。チーム「58失策」(23日現在)はリーグワーストとなっている。リーグ最少のオリックス、ソフトバンクの「28」とは30も差がついており、投手力のチームとあってリズムに乗れない背景にはこういったミスの多さも影響を及ぼしているようだ。
借金は17まで膨らみ、最短で29日にも自力Vが消滅する。就任2年目、開幕前に「優勝しか目指さない」と指揮官が公言して始まったシーズンが勝負の夏を前に消化試合では寂しすぎる。選手の意地に期待したい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]