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全国統一教会被害対策弁護団(団長・村越進元日弁連会長)は7月3日、運営費800万円を求めるクラウドファンディングを始めた。

2022年11月の発足以来、延べ436件の相談が寄せられ、112件を受任した。全国約350人の弁護士が無報酬で活動しているため、今後も無料窓口を維持していくには事務所家賃や事務員の人件費、電話代などが必要だという。

事務局次長の木村壮弁護士は、被害の調査には長くて半年かかることもあるといい「いつでもどこでも相談できる体制を構築し続けないといけない」と協力を求めた。

●薄れる記憶、乏しい記録…相談には時間かかる

現在、弁護団が受任した統一教会との集団交渉は3次まで進んでおり、94件で26億1500万円余を請求している。

被害者が相談してから、この交渉の場に名を連ねるまで一定の時間がかかる。中には、通帳や手帳などから献金記録を裏付けることや、家族が病気になった事実の記憶を丁寧にたどることが必要で、半年以上をかける場合もある。

ある夫婦は2022年の安倍晋三元首相銃撃事件以降、悩んだ末に2023年1月末〜2月に弁護団に相談。毎月献金していたが、家計簿がなく、20冊の手帳から記録を起こした。吉田正穂弁護士が4〜5月の大型連休を費やして精査。5月25日の第3次交渉に間に合わせたという。

「この事例でも3、4カ月はかかっている。もし解散請求命令が出されれば、内部には再び動揺が起きて相談も増えるはず。まだまだ私たちが頑張らなければならない」(吉田弁護士)

●「サポーターとして活動知ってほしい」

弁護団によると、信者歴が長い人は高齢のため、記憶が薄れていることも多い。献金のきっかけとなる人生での出来事(息子が病気になったなど)について複数回の聞き取りが必要となり、弁護士が交通費をかけて自宅を訪問することもあるという。

また金銭被害の当事者が大半のため、本来なら負担してもらう登記や戸籍謄本などの書類手続き費用も弁護士が負担している。

川井康雄弁護士は「いまだに窓口を知らない人や、相談するかどうか迷っている人がいる。一方で、世間では風化が早い。まだまだスタートラインなんです。サポーターとして我々の活動を知ってもらいたい」と説明した。寄付額は3000円〜100万円で、謝礼は活動報告だという。

相談窓口は電話かメールで。詳しくはホームページ