クリエイター誹謗中傷「4人に1人は被害」 YouTubeとYouTuberが解決に向けてタッグ
誹謗中傷に苦しむクリエイターのため、YouTubeなどのプラットフォームとYouTuberなどクリエイターが連携する「対策検討会」が発足した。
主催する一般社団法人「クリエイターエコノミー協会」による6月28日の発表会見では、クリエイターの4人に1人は、何らかの誹謗中傷を受けた経験があり、今後の市場の活性化を妨げる大きな要因になりうるという認識が示された。
検討会にはヒカキンさんなど多くの人気YouTuberを抱える「UUUM」も参加する。同社の鎌田和樹取締役会長は「誹謗中傷は長年活動してきたクリエイターの人生を一回で崩すような影響力をもっている」とし、対策の必要性を強調した。
●YouTubeとnote(プラットフォーム)・YouTuberとVTuber(クリエイター)の5社が参加
「誹謗中傷対策検討会」は、YouTubeを運営するGoogleの日本法人(グーグル合同会社)とメディアプラットフォーム「note」、ヒカキンさんなどのYouTuberが所属するUUUM、多くのVTuberを抱えるANYCOLORとカバーの計5社が参加する。
これまでも国の有識者会議を舞台にプラットフォームやクリエイターも意見を述べて誹謗中傷対策を議論してきたが、今回始まった検討会ではプラットフォーム側とクリエイター側、有識者が連携して課題に取り組むことを目的としているという。
クリエイターエコノミー協会の調査(2022年・1557人回答)では、クリエイターの25%が「誹謗中傷を受けたことがある」と回答した。そのうち69%が「何も対応していない」と答えている。
協会のアドバイザーをつとめる国際大学GLOCOMの山口真一准教授は「クリエイターのように積極的に情報発信する人のほうが被害を受けている」と指摘したうえで、「誹謗中傷は言葉の刃。亡くなってしまう人もいるのが現状」だと警鐘を鳴らした。
個人や少数で活動し、後ろ盾のないクリエイターは誹謗中傷に脆い傾向があることから、下記の取り組みの必要性を説明する。
加害者に対するアクションのサポート相談窓口・カウンセリングの充実SNSに関する啓発●YouTube「インターネット空間の安全を守ることは業界全体の責任」
検討会で今後取り組むべき課題も各社で話し合い、定めていく方針だ。
UUUMの鎌田会長は「すべて解決するとは思っていない。まずは対策に取り組んでいく」と述べた。
また、グーグル合同会社の仲條亮子YouTube日本代表も「インターネット空間の安全を守ることは業界全体の責任であるとの認識から、この度、誹謗中傷対策検討会に参画することと致しました。クリエイターの皆さんが安心して創造性を発揮できるよう、より一層真剣に取り組んで参ります」とコメントを寄せた。