Googleが従来のChromebookとは異なる「より高品質なハイエンドモデル」の開発を進めていると、Google関連メディアの9to5Googleが報じています。報道によると、ハイエンドのChromebookは「Chromebook X」として呼称されることとなるようです。

This is 'Chromebook X': Google's new standard for ChromeOS

https://9to5google.com/2023/06/20/chromebook-x/



Chromebook X leaks: Google's new badge of excellence for laptops

https://www.androidauthority.com/google-chromebook-x-program-3337595/

過去5年間で、Chromebookはさらに多くのことができるように進化しています。Androidアプリのサポートにより、Chromebookは動画編集アプリであるLumaFusionやオーディオ編集アプリのAudacityなど、プロ仕様の強力なアプリを利用することができるようになりました。また、Android Studioなどの開発者ツールを利用したり、Steamを使ってゲームを遊んだりすることも可能となっています。

2023年6月にはマインクラフトもChromebookについに対応。

マインクラフトがChromebookに正式対応したことが発表される - GIGAZINE



これらのアプリケーションをスムーズに動作させるためには、より優れたハードウェアが必要となります。例えば、ChromebookでSteamを使用したい場合、最新のミドルレンジモデル以上のスペックが必要となるそうです。

Googleの公式サイト上では、Chromebookが無印・Plus・Premiumの3段階で分類されています。



GoogleはPlusとPremiumの分類を以下のように説明しています。

Plus Chromebook では、高速なパフォーマンス、スムーズなビデオ通話、大容量のストレージが提供されます。Premium Chromebook では、マルチタスクや高速な処理もスムーズにこなせる高いパフォーマンスが提供されます。


しかし、この分類表記は「ユーザーにとってわかりやすいものではなかった」と9to5Googleは指摘。実際、Googleは英語版の公式サイトで、2023年5月31日からPlusとPremiumの表記を廃止しています。

PlusとPremiumの表記に変わるものとして、Googleは新たに「Chromebook X」というブランドを用意していることが明らかになっています。9to5Googleによると、Googleは過去数カ月にわたってChromebookメーカーが用意する「平均以上のスペックのデバイス」向けに、新しいブランドとして「Chromebook X」を用意してきた模様。

ただし、Googleが独自の「Chromebook X」端末を製造するという兆候は「まだ見られない」そうで、「Pixelbookがリリースされてからかなりの時間が経過していることを考えると非常に残念」と9to5Googleは報じています。



「Chromebook X」というブランドの名称は正式発表前に変更される可能性があるとのことですが、端末筐体のどこかに通常の「Chromebook」のロゴと、「X」のロゴが刻印されることになる可能性を9to5Googleは指摘。さらに、「Chromebook X」モデルでは、既存のChromeOSデバイスとは異なる特別な起動画面が表示されることになる模様。

Chromebook Xには最低システム要件が設定されており、一定量のメモリ(RAM)、ビデオ通話用の高品質カメラ、ハイエンドディスプレイが必要とされています。また、プロセッサは以下が最低システム要件となる模様。

・AMD Zen 2+(Skyrim)

・AMD Zen 3+(Guybrush)

・第12世代Intel Core(Brya&Nissa)

9to5Googleによると、「Nissa」はIntelのNシリーズチップを代表する呼称で、これは通常、ハイエンドモデルや高性能モデルではなく、400ドル(約5万7000円)以下のモデルに搭載されるプロセッサだそうです。つまり、Googleは多くのユーザーが求める350〜500ドル(約5〜7万円)程度の「手に取りやすい比較的高品質なデバイス」をChromebook Xとしてリブランディングすることを計画しているものと考えられます。

さらに、Googleは通常のChromebookとChromebook Xを差別化するために独自の機能セットも準備しているようです。例えば、Chromebook Xはビデオ通話向けにハイスペックなカメラを搭載するようメーカー側に求めており、これを利用してライブキャプション(ビデオ通話にリアルタイムでキャプションを追加する機能)やポートレートぼかし機能、音声分離機能などを提供する模様。

他にも、1日を通して見た目が変わる「Time Of Day」と呼ばれる壁紙およびスクリーンセーバーを準備しているようです。

その他、Chromebook Xの独自機能として「最大16の仮想デスクサポート」「オフラインで利用可能なGoogleドライブのファイル機能」「刷新された小売向けのデモモード」の3つが計画されています。

9to5Googleに情報を提供した匿名の人物によると、GoogleはChromebook Xブランドのデバイスを2023年末までに発売する予定だそうです。