巨人・坂本勇人 V打の裏にあった「おっさんの意地」思わず漏らした「本音」とは

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調子を上げてきた坂本(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 巨人は16日の楽天戦(東京ドーム)に6−5とサヨナラ勝ち。2点を追う9回無死二、三塁から坂本勇人内野手が自身10号となる逆転サヨナラアーチを放ち、劇的な幕切れとなった。チームはこれで今季初の6連勝、17日の結果次第では9年ぶりの交流戦優勝が決まる。

 2点を追う9回。先頭の梶谷隆幸が二塁打を放つと、続く重信慎之介も安打と盗塁で無死二、三塁の好機を作る。ここで打席に入った坂本は楽天・酒居知史のフォークを現在取り組むノーステップ打法で捉え、劇的な逆転サヨナラ10号3ランを放った。

【動画】若手にはまだまだ負けない!坂本が2点を追う9回無死二、三塁から逆転サヨナラの10号3ランを放った場面

 「見たか!」とばかりに右手をあげながら、ダイヤモンドを一周。試合後のお立ち台発言もまた人間味あふれるものとなった。

 若くして2000本安打も達成した球界屈指のスラッガーも今季は開幕から大不振に悩まされた。ときにスタメン落ちもありながら、ようやくここまで復調してきた。

 9回の打席では、梶谷、重信が必死につないでくれた打席とあって「何とか打ちたいな。ここで打たないとかっこ悪いな、と思いながら打席に立ちました」と坂本。

 さらにその後のセリフに注目が集まった。「なかなか自分の思うようなバッティングができない中で原監督からアドバイスなどももらいながら。まだまだ若いつもりでやってます!」と34歳の坂本がここまでの苦悩や『おっさんの意地』をにじませると、東京ドームを訪れた巨人ファンの間からも温かい笑いの輪が広がった。

 今季まで8シーズン続けた主将を離れるも、チーム全体を見通す目配りも忘れない。今年のチームは野手ではドラフト4位ルーキー門脇誠、プロ3年目秋広優人、中山礼都、投手陣でも中継ぎではプロ2年目菊地大稀、ルーキー右腕、田中千晴など若い力の躍進も目立つ。

 「本当にピッチャーも若い選手が多いんですけど、頑張ってくれていますし、若い野手もすごく頑張っている。僕、中田、丸、梶谷もそうですけど、みんなでいいチームになってきたなと思います」

 世代交代が課題とされる中、ベテラン勢と若手がミックスされて理想形となってきたと認めたのだ。

 元々地力のあるチームで本来の主力が力を発揮すれば、この結果も当然か。交流戦Vも視野に入れ、今後再開するリーグ戦でますます勢いを増しそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]