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アニメの仕事といえば、キャラなどの絵を描く「アニメーター」をイメージすることが多いだろう。だが、アニメ制作には他にもさまざまな職種があり、テレビアニメ1話に携わるスタッフは200〜300人に及ぶ。そして、その多くが「絵が下手でもなれる」という。劇場版『ONE PIECE』やTVアニメ『プリキュア』シリーズを手掛けた経験を持ち、書籍『アニメができるまで』を上梓した大塚隆史監督に、アニメ制作の体制と「中の人」のキャリアパスについて聞いた。(執筆/フリーライター 堀田孝之、取材協力/アニメ監督 大塚隆史)

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「○○製作委員会」とは?

 アニメが日本を代表するカルチャーの一つになって久しい。

 宮崎駿氏、細田守氏、新海誠氏といった作家性の強い監督の作品のみならず、『ONE PIECE』や『鬼滅の刃』をはじめとするエンタメ系作品の大ヒットが続いているのはご存じの通りだ。

 老若男女問わず、アニメファンを公言することが当たり前の時代になった。
 
 しかし、日本はこれほどのアニメ大国でありながら、「アニメがどのように作られているのか」という舞台裏を知る視聴者はほとんどいない。

 そこで今回は、劇場版『ONE PIECE』やTVアニメ『プリキュア』シリーズを手掛けた経験を持つ大塚隆史監督への取材を基に、一般的なテレビアニメができるまでの大きな流れを追ってみよう。

 まずはアニメ作りの体制について説明する。アニメのエンドロールで「○○製作委員会」というクレジットを見たことがある人は多いだろう。

 この委員会は、アニメ制作会社や出版社、テレビ局、広告代理店、ビデオメーカー、玩具会社など、アニメ制作に出資する会社が参加する組織だ。

 アニメの企画は、こうした出資元などが集まって、製作委員会を立ち上げるところからスタートする。製作委員会は最初に、現場のトップを選定する。対象となるのは、プロデューサー、そして監督だ。

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