ノルウェーのハーラル5世国王とソニア王妃の長女マッタ・ルイーセ王女が今年6月婚約を発表した。お相手のアメリカ人、シャーマン・デュレクことデュレク・ベレットはスピリチュアルガイドにして霊媒師。王女は2019年に公務を引退しているが称号は保持している。王女は交際中からベレットと共にスピリチュアルなテーマで講演ツアーなどを行っているが、あるとき「マッタ・ルイーセ王女」と名前に称号をつけて出演。国民から「称号を金儲けのために利用している」と批判された過去がある。そのため婚約発表後、結婚してからも称号を保持することについて疑問の声が上がっていた。

王室は王女の今後の立場について議論していたが、その答えが出たよう。王室が声明を発表、「王女は自分の活動と、自分の王室とのつながりをより明確に区別したいと考えている。そのため公務を放棄し、今後は王室を代表することはしない」と説明した。また「国王は王女が引き続き称号を保持することを決めた。しかし王女とその婚約者が商業活動でその称号を利用することはない」。

声明発表後、国王はノルウェーの放送局「2News」に出演しこの決定を下すのに4、5か月話し合いを続けたと明かした。「王女の活動と王室との間に十分距離を置ける解決策に辿り着いた。王女が王室を代表する存在でなくなることは残念だ」「娘はこれからも私たちの娘である。だから彼女はマッタ・ルイーセ王女だ」とコメント、「王女」の称号を与える理由について説明した。

またベレットについてもこう語っている。「本当に素晴らしい男性だ。一緒にいるのは楽しい」と評価しつつ、「彼は称号やロイヤルとしての立場を商業的なプロジェクトの宣伝に利用できない理由を理解するのに苦労していた」「アメリカ人は称号の意義をわかっていない。王室が何かということをまったく知らない。私たちに影響を及ぼすことなく何でもできると考えていた」。

ちなみにイギリスの新聞「デイリーメール」はこれを「ノルウェー版メグジット」と呼んでいる。確かにアメリカ人のパートナーと共に王室を離れ、称号をそのまま保持する点はヘンリー王子に似ている。国王の「アメリカ人は王室が何かを知らない」発言にも注目が集まっている。