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世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が10月27日、メディアに名誉を傷つけられたとして再び東京地裁に提訴した。今回の被告は日本テレビとジャーナリスト有田芳生氏、TBSラジオと紀藤正樹弁護士で、それぞれ2200万円、1100万円の損害賠償と謝罪広告を求めている。

教会の代理人福本修也弁護士は「なんでもかんでも訴えてはいない、かなり絞り込んでいる。確実に勝てる訴訟」と自信を見せた。今回を「第2弾」と述べ、今後も主に全国放送のテレビ・ラジオなど大手メディアをターゲットとしていくことを示唆した。

会見中、近藤徳茂総務副局長が「有田については…あ、有田さんについては」と呼び捨てしてしまう場面もあり、テレビ等で露出が多いコメンテーターを敵視している姿勢がにじんだ。

●紀藤弁護士は2度目

対象となったのは、日本テレビ「スッキリ」(8月19日放送)での有田氏の発言と、TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう一直線」(9月9日放送)に出演した紀藤氏の発言。紀藤氏は、前回ミヤネ屋での発言で提訴されており、2度目となった。

訴状による発言は以下の通り(原文ママ)。

有田氏「一時期距離を置いていた国会議員達も、もう一度あの今のような関係を造っ
てしまったっていうその2つの問題があるということを思うんですが、どうすればいいかっていうのは、やはりあのもう霊感商法をやってきた反社会的集団だって言うのは警察庁ももう認めているわけですから、そういう団体とは今回の問題をきっかけに、一切関係をもたないと、そういうことをあのスッキリ言わなきゃだめだと思うんですけどね」

紀藤氏「親がですね、あの脱会させたいために暴力団を頼んだっていう事件もありましたよね」「だからあの、昔あの暴力団にお金で頼むっていうことがあった時代があって、その時代に暴力団に頼んで子供を脱会させてっていうのがあったんですけど、ただその暴力団はですね、子供を脱会させるために親からお金を、もらったお金をですね、統一教会に渡すんですよ。」「親からもらったお金の一部を統一教会に渡して、統一教会が偽装脱会させて子供を連れ帰るわけですよ。親に渡すんですね。」「で親から見ると、あー暴力団はよくやってくれたってまたお礼を出すわけですよ。だけども結局それは偽装脱会で、暴力団と統一教会が儲かって3ヶ月ぐらいしたらその子供はまた統一教会に戻るんですよ。だから意味がないんですね。」「ええ、これ本当の話です。で、それが問題になった時期があります。そういうことをやっている。つまり統一教会はお金を欲しい、暴力団もお金が欲しいって。だから子供だけ一時期的に親に戻すけども、心は全然脱会してませんから、無意味なんですよね。」

●「伝聞の伝聞の伝聞だ」「尾びれ背びれをつけて、おもしろおかしく話している」

有田氏の発言に対して教会側は、「政府が反社会的勢力を定義できるものではないとの認識が国会でも示されている」と主張。福本弁護士は「そもそも警察庁の所掌事務でもない」と不快感をあらわにした。

また、紀藤氏の発言について福本弁護士は根拠となったものはつかんでいるとした上で、「訴訟の陳述書で、伝聞のもの」と説明。「伝聞の伝聞の伝聞だ」「尾びれ背びれをつけて、おもしろおかしく話している」などと批判した。反証する証拠も残っているとして、自信をのぞかせた。

近藤総務副局長は報道に対して「全国の信者から怒りの声が上がっている」とし、紀藤氏の発言についてはラジオを聞いていた信者から本部に報告があったことがきっかけだったと明かした。

両者に対して9月に抗議の通知書を送り、有田氏からは回答がなかった。紀藤氏とはやりとりしたものの、「訂正するところはありません」との回答だったため提訴に踏み切ったという。

今後も標的になるメディアやコメンテーターは増えるのか。

福本弁護士は「どこまで広げるかというところだが、東京でウォッチしているため、全国ネットのテレビ局など大手が対象となる」と話した。

●日テレ、TBSラジオのコメント

日本テレビは「訴状を確認した上で今後の対応を検討いたします」、TBSラジオは「訴状を受け取り次第、対応を検討してまいります」とコメントしている。

●有田氏、紀藤氏が反論

紀藤氏は弁護士ドットコムニュースの取材に対し「言論を萎縮させる目的の訴訟で許しがたい。裁判で真実を明らかにしていく」とコメントを寄せた。有田氏はツイッターで「私は長い取材のなかで、警察庁、警視庁幹部からも取材し、旧統一教会が反社会的であることを証拠と証言によって確信している」などと反論している。

October 27, 2022