走行しても違反なし!? シマ模様の「ゼブラゾーン」一方で事故起こすと過失最大20%上乗せ!? “進入すべきではない” 設置の理由とは

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シマシマ「ゼブラゾーン」の役割は

 街中をクルマで走っていると、道路に白線でシマシマの模様が表示されているのを見かけることがあります。
 
 あれは「ゼブラゾーン」と呼ばれている道路標示ですが、どういった理由から設置されているのでしょうか。またゼブラゾーン内の通行や停車は問題ないのでしょうか。

街中で見かけるゼブラゾーンはそのまま通っても良いのか?

 ゼブラゾーンは正式名称で「導流帯」といい、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」に基づいて「車両の安全かつ円滑な走行を誘導する必要がある場所」に設けられています。

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 具体的には広すぎる交差点、複雑な交差点、車線数が減少する場所などに設置されています。

 こういった場所では、車線が広すぎたり交差点が複雑だったりと、どこを走行すればいいかがわかりにくく、これが原因で渋滞や交通事故を誘発してしまうリスクがあります。

 ゼブラゾーンは、クルマが走行する位置を示すため、安全に走行できるようになり、渋滞や交通事故を起こりにくくする役割を持っています。

 ではクルマでゼブラゾーン内に進入したり走行したりすることは問題ないのでしょうか。

 ゼブラゾーンに関して定めている法令がないため、禁止行為に該当しないといえます。

 同様にゼブラゾーン内で停車することに関しても法令上に規定はありません。

 一方で、停車および駐車の方法を示す道路交通法第47条には、以下のように規定されています。

「車両は、人の乗降又は貨物の積卸しのため停車するときは、できる限り道路の左側端に沿い、かつ、他の交通の妨害とならないようにしなければならない」

 ゼブラゾーンは上記にも記載した通り、渋滞や交通事故が発生しやすい場所に設置されているため、ゼブラゾーンに停車することで他車の通行を妨害してしまうことも考えられます。

 このため、大きな事故を引き起こさないためにも、ゼブラゾーンの通行や停車は避けるのが望ましいといえるでしょう。

 さらにゼブラゾーンの走行自体は交通違反に該当する規定はないものの、事故を起こしてしまった場合、ゼブラゾーンを走行していたことが不利になる可能性も。

ソニー損保によると、同一方向に進行中に進路変更をおこなったB車と後続の直進するA車が衝突した場合の基本過失割合は、A車が30%、B車が70%となります。

 一方でゼブラゾーンを走行中に、ゼブラゾーンに沿って右折車線に進路変更したB車が、ゼブラゾーンを走行してきたA車に衝突した場合、過失修正が発生する場合があるといいます。

 これについてソニー損保は以下のように説明しています。

「車両の運転者等の意識としてゼブラゾーンにみだりに進入すべきではないと考えているのが一般的であるため、A車に対して10%から20%の過失が上乗せされることがあります」

 交通事故の過失割合は、そのほかの状況も踏まえて複合的に判断されますが、ゼブラゾーンの走行がマイナスに働くリスクがあるともいえるため、通行時には十分な注意が必要です。

※ ※ ※

 一方で、白線のゼブラゾーンがオレンジの外枠で囲われている模様を見かけることもあります。実はこれは通常のゼブラゾーンとは扱いが異なります。

 オレンジ枠のゼブラゾーンは「立ち入り禁止部分」となり、通行や進入、駐停車が禁止されている場所で、具体的には見通しの悪いカーブや事故の危険が高い場所などに設置されています。

 道路交通法第17条第6項では「車両は、安全地帯又は道路標識等により車両の通行の用に供しない部分であることが表示されているその他の道路の部分に入つてはならない」と定められており、通行すること駐停車すること自体が禁止されています。

 このように、ゼブラゾーンのほかにも一見似ているような道路標示はいくつもあります。

 しっかりと交通ルールを把握して安全運転をおこないましょう。