アナログだからこそ良く響く！ホイッスル付きの防災向きマルチツール

2022年8月12日 21時0分

&GP

みんなの感想は？

【男前マルチツールの世界】

マルチツール。それは、手に収まるほどのコンパクトなボディにさまざまな道具を詰め込んだ“ハンドツール”。とかく専用ツールに比べ「間に合わせ」と思われがちですが、そこにはマルチツールだからこそ味わえる奥深い世界が存在します。

そんなマルチツールの男前な魅力を紹介する連載第24回は、中林製作所の「冒険倶楽部工房クライシス CS-01 ホイッスル内蔵多機能ツールS」（1270円）です。

金属加工の町、新潟県三条市にある中林製作所は、刃物や工具、それらを収納するポーチなどの小物類の製造と卸をしている会社です。比較的ロープライスで手に入りやすい価格帯の製品を販売しています。

今回紹介するクライシスシリーズは、防災グッズ的な意味合いの強い多機能マルチツールです。

■真鍮製のホイッスル付き

9月1日は防災の日。さまざまなツールが収納されたマルチツールは、防災用品としても活躍が期待できます。しかし、命の危機が迫る状況から脱する必要がある時、通常のマルチツールでは足りないと感じるかも。今回紹介する「CS-01」は、ユーザーの居場所を他の人や救助隊に知らせるためのホイッスル（笛）が内蔵されています。

ホイッスルは、ハンドルの一番外側に配置されています。他のツールのようにハンドルの内側に収まっておらず、ハンドルから少しはみ出しています。

円筒形であることも理由のひとつですが、暗所であってもどれがホイッスルであるかを指で触っただけで分かる仕組みです。災害に遭う場所や時間は選べません。救助を待つ時にまわりが暗くても、ユーザーが取り出せるよう工夫されています。

ホイッスルは真鍮製。甲高い音を発します。高い音は遠くまで響くので、雨音などで音がかき消されてしまうような状況でも、自身の位置を救助隊に報せられます。また、災害時だけでなく、遭難時など誰かに見つけてほしい時にも役立ちます。

■切る仕事のツールは、ホイッスルの反対側

全12種類あるツールは、主に2カ所に別れて配置されていて、切る仕事をするためのツールであるナイフ、ノコギリ、波刃、ハサミ、缶切り等は、ホイッスルの反対側にあります。ホイッスルの位置が分かりやすいので、その反対側にナイフ類があると覚えていれば迷うことなくアクセスできます。

▲意外とよく切れるナイフ

さすが三条市のメーカーというか、この価格帯のマルチツールのナイフとしてはかなり切れ味が良い。製品パッケージには“本刃研ぎ仕様バナジウムステンレス鋼”と書いてありましたが、ナイフの切れ味にはプライドがあるようです。切りにくい布地でもサクッと切れました。これだけの切れ味があれば、キャンプでの調理などでも使えるのではないでしょうか。

▲波刃ナイフ