野菜、肉、だしの旨味が溶け出したじんわりしみるこれぞご馳走椀/(C)関斉寛

写真拡大

普段使いの食材や調味料で作るいつもの味に飽きてきたら、プロの技を試してみませんか?

豚汁がごちそうになっちゃった…!おいしいおだしの取り方も画像で確認!

「美味しさには理由がある」「なぜ美味しくなるのか?」という考え方に重点を置き、和食の定番料理を中心にプロのコツを紹介してくれるのは、料理人の関斉寛さん。

味に差がつくひと手間を踏まえながら、家庭で極上の料理を作るコツをお送りします。

■具だくさん豚汁

野菜、肉、だしの旨味が溶け出したじんわりしみるこれぞご馳走椀

■主な旨味成分

豚肉(イノシン酸)

里いも(グルタミン酸)

ごぼう(グルタミン酸)

◆材料(1人分)

豚バラ薄切り肉 40g

里いも 1個(50g)

にんじん 1/3本

ごぼう 50g

長ねぎ 20g

こんにゃく 1/2枚

木綿豆腐 70g

しょうが 3g

ごま油 6g

酒 10ml

〈吸い地〉

二番だし(作り方は下記参照) 360ml

砂糖 30g

みりん 8ml

薄口しょうゆ 10ml

合わせみそ(赤みそ14g+白みそ6g)20g

小ねぎ(小口切り)、七味唐辛子 各お好みで

◆作り方

1 豚肉はひと口大に切る。里いもは皮を厚くむき4等分にする。にんじん、ごぼうは乱切り、長ねぎは幅8mmの小口切りにする。こんにゃくはさっと湯に通してアクを抜き、水気をきる。包丁の腹でたたいてからスプーンで一口大にちぎる。豆腐もスプーンでちぎる(一)。しょうがは細切りにする。

(一)こんにゃく、豆腐はスプーンでひと口大にちぎる

こんにゃくは叩くと柔らかくなります。さらに、ちぎって繊維を壊すと味が入りやすい。豆腐も同様です。

2 鍋にごま油を熱して、火の通りが遅いものから順に入れて炒める(二)(里いも、にんじん、ごぼう、こんにゃく、豚肉と酒、長ねぎ、しょうがの順)。

(二)火の通りが遅いものから順に入れて炒める

炒めて素材の表面を油でコーティングします。火の通りにくい根菜、肉、香味野菜の順。香りもよく出ます。

3 二番だしを加えて沸かし(三)、ヘラで野菜の旨味をこそげ取って溶かす。弱火にしてアクを取り、里いもが柔らかくなるまで15分ほど煮る。竹串がスーッと通ればOK。

(三)だしを入れたらアクを取りながら野菜の旨味を引き出す

グラグラッときたら弱火に落とし、素材の味をゆっくり引き出します。最初に出るアクはしっかり除きます。

4 砂糖、みりん、薄口しょうゆ(四)を加えて混ぜる。

(四)里いもが煮えて野菜の旨味が出たら調味料を加える

一番火が通りにくい里いもが煮えて、素材の味がだしに溶けたのを確認してから味付け。甘味から入れます。

5 ガラスボウルに煮汁を少し取り分けてみそを入れ(五)、よく溶かしてから鍋に戻し入れる。みその味をなじませてから、豆腐を加えて温める(六)。

(五)味の最も濃いみそは最後に加える

味見をして素材の旨味と調味料がまとまっていたら、ようやくみその出番。ボウルで溶かしてなじませます。

(六)豆腐は最後に加えすべての旨味をしみ込ませる

みそを入れたら下からすくってなじませ、豆腐を投入。さっと煮たらできあがりです。煮過ぎないように。

6 器に盛り、お好みで小ねぎを添えて、七味唐辛子をふる。

■美味しいだしの取り方

■昆布だし

湯冷ましした軟水で、旨味を引き出す。

あっさりとした鍋物や煮物に

◆材料(作りやすい分量)

昆布 10cm角

水 1L

◆作り方

鍋で湯を沸かし、火を止めて人肌まで冷ます。ボウルに入れ、表面をさっと拭いた昆布を加え、冷蔵庫で一晩(8〜10時間)浸す。

湯冷ましした軟水に浸しておくと旨味が格段に違う。

■一番だし

澄み切った黄金色。

吸い物など、だし自体を味わう料理に

◆作り方

1 昆布は沸く前に取り出す

昆布だしを鍋に移し火にかける。60℃位で昆布を取り出して香りが飛ぶのを防ぐ。

2 アクをよくすくう

そのまま沸かしてアクをよく取る。雑味がなくなる。火を止め粗熱を取る。

3 温度を測る

温度が下がり、80℃になったら4の工程へ。1℃違うと風味が変わるので測る。

4 かつお節を加える

80℃になったら、かつお節を加え、沸騰しない火加減をキープし1〜 2分煮出す。

5 静かに流し入れてこす

ボウルにザルを重ねてさらしを敷き、 4をこす。かつお節は押さない。

6 冷蔵庫で2日保存可能

5のとき、ボウルに菜箸を渡して、その上にザルをのせるとこしやすい

■二番だし

調味料やうま味成分を補って土台として使用

◆材料(作りやすい分量)

A

昆布(一番だしを取ったもの) 1枚

かつお節(一番だしを取ったもの)全量

B かつお節 10g

水 1L

◆作り方

1 追いがつおをする

鍋にAと水を入れて火にかけ、沸いたら20分ほど煮て、Bを加え、4〜5分ほど煮る。

2 かつお節はしっかり押す

ボウルにザルを重ねて、さらしを敷き、1をこす。冷蔵庫で2日保存可能。

■レシピを参考にするときは

・「旨味」とは、「素材が本来持つ美味しさ」の意味、「旨味成分」とは、たんぱく質を構成するアミノ酸(グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸、コハク酸)の意味で記載しています。

・特に記載がない場合は、砂糖は上白糖、塩は自然塩、酢は穀物酢、酒は清酒、みりんは本みりん、小麦粉は薄力粉、梅干しは塩分8%を使用しています。

・液体の5mlは小さじ1、15mlは大さじ1、200mlは1カップで計量できます。

・水溶き片栗粉は、片栗粉と水を1:1の割合で混ぜた分量を記載しています。

・黄ゆず、木の芽、白板昆布以外は、スーパーで購入した食材と調味料を使用しています。

・野菜類、きのこ、豆類、果物は、特に記載がない場合、洗う、皮をむくなどの作業をすませてからの手順です。

・フライパンは鉄、鍋はアルミの雪平鍋を使用しています。

・特に記載のない場合、火加減は中火です。

※本記事は関斉寛著の書籍『プロが教える和食の基本 素材の旨味を引き出せば究極に美味しくなる』から一部抜粋・編集しました

著=関斉寛/『プロが教える和食の基本 素材の旨味を引き出せば究極に美味しくなる』(KADOKAWA)