「お願いします」「ありがとうございます」と添えるだけで印象が違ってきます(写真:hanack/PIXTA)

全米で最もマナー・エチケットに詳しいとされるジョン・ブリッジズ氏。シーン毎にマナーから、マナー以前の超基本にいたるまで、最適解をまとめた『ドアはあけたらおさえましょう』より、職場での「ルールブックに載らないマナー」を取り上げます。何気ないひと言・所作で良くも悪くも印象が変わるのが職場の人間関係。小さな気配りで得られるメリットは絶大です。

お礼を絶対に忘れない

・頼むときは「お願いします」を必ず言う
どれだけ長い期間一緒に働いていても、どれほど仕事の締め切りが迫っていても、同僚にお礼を言うのを忘れない。お願いごとをするときは「お願いします」と必ず付け加え、「ありがとうございます」も忘れずに。

・コーヒーは「自分」で入れる
同僚や後輩にコーヒーを入れるのを頼まない。コーヒーを飲むなら自分で入れる。自分でできることは自分でする。


(出所)『ドアはあけたらおさえましょう』(サンマーク出版)

・なくなったら「補充」する
最後の一杯を飲んだら、新しいコーヒーを補充する。

・冷水機の「タンク」を補充する
冷水機の水がなくなったら、必ず替えのタンクを設置する。

・コピー機に「紙」を補充する
コピー機には必ず紙を補充する。

・退社が最後なら「電源」を切る
その日最後に退社する場合、落とさないといけない電源を切る。

・飲み物・食べ物・洗い物で汚さない
職場の休憩室や共用のキッチンで、汚れたコーヒーカップや皿、カトラリーをシンクに置いていかない。職場の冷蔵庫に長期間食べ物を放置しない。

・相手の「受付」の名前を覚える
よく電話をかけたり、応対してくれる人の名前を覚えておく。そして頻繁にその人に感謝を示すようにする。

・会話は「ボリューム」に注意して話す
職場では、会話がほかの人にも聞こえていることを心に留めておく。オフィスに響き渡るほど怒ったりしない。みんなが忙しく働いているのに、耳障りな笑い声をあげない。

・聞こえづらいなら「場所」を変える
電話で話していて接続が悪かったりして声が聞こえづらければ、声を大きくする前にオフィスのドアを閉めるか、人のいないところに移動する。

・「名刺」はカバンにも入れておく
カバンとデスクの引き出しに名刺を入れておく。名刺入れを忘れても大丈夫なように「備え」を。

同僚・上司とのつきあい方

・上司からの贈り物に「お返し」は不要
誕生日や昇進祝いなどで上司からプレゼントが贈られてきたら、受け取ってシンプルなお礼のメッセージを伝える。そうした贈り物は良い仕事をした感謝の証であって、友人同士のやり取りを表してはいない。上司はお返しを期待していないので、返礼品を送る必要はない。

・「頼まれごと」に丁寧に取り組む
同僚への伝言や荷物の受け取りを頼まれたら、伝言は正確に受け、荷物は丁寧に扱うようにする。

・同僚宛の荷物を受け取ったら「メール」で知らせる
受け取った荷物は必ず相手に渡す。同僚には「○○様、オフィスであなた宛ての荷物を受け取りました」とメールをする。

・ミーティング中は「すぐに戻ります」と言って離席する
大きな会議中に化粧室を使う場合、静かに部屋から出て行く。小規模なミーティングで席を離れる場合は、「すぐに戻ります」とひと声かけてから中座する。

・いつ、誰に見聞きされてもいい「言動」を
トイレを職場の噂話をする場所と考えない。いつ誰が入ってきて、誰が個室から出てくるのかわからないからだ。いつ誰に見聞きされてもまずくない言動を心がける。

理想的なメールの作法

・同僚も「仕事を持ち帰っている」と思わない
職場から仕事を家に持ち帰りたいかもしれないが、同僚も同じようにしていると思わない。


・返信は「気長」に待つ
メールを送ったあと、24時間以内に返信があると勝手に思わない。

・「ペン」は借りたらすぐ返す
同僚からペンを借りたらすぐに返す。

・「黒」か「青」のインクで書く
必ず黒か青いインクで書く。

・「ポケット」をすっきりさせる
不必要に身の回りのものをポケットに入れない。シルエットが台ナシになる。

・退職するときは「飛ぶ鳥跡を濁さず」
退職するときに、後戻りできないようなまねはしない。

前回:「言葉のマナー」わかってない大人にならない為に(5月9日配信)
前々回:「食事のマナー」知らないと恥ずかしい基本の基本(5月2日配信)

(ジョン・ブリッジズ)