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今年9月に発売されたiPhone 13シリーズは大人気を博していますが、半導体不足のため製造台数を当初の計画よりも1000万台も減らされる可能性が高いと報じられています。

米Bloomberg報道によると、アップルは今年最後の3ヶ月間(10月〜12月)に9000万台のiPhone 13シリーズを生産する予定だったものの、現在は製造パートナーに目標を引き下げると伝えているとのことです。Broadcom(主にワイヤレスチップ)やTexas Instruments(バッテリーDC-DCコンバーターほか)といった主要サプライヤーが必要な量の部品を供給できないため、アップルはその他の製造過程でも削減を指示せざるを得なくなったと説明されています。

アップル幹部らは7月末の決算説明会でも、半導体不足が今後のiPhoneやiPadの生産に影響を与える可能性があると投資家向けに警告していました。また今年春にも「レガシーノード(最先端のプロセスを必要としない半導体)」の供給不足が最大の問題であり、iPadやMacの生産に影響が出ていると述べています。

世界的な半導体不足は1年以上も続いており、特に自動車業界では十分なチップが入手できないために生産台数を大幅に減らしています。また調達に困った企業が偽造チップを買わされる被害も多発しており、しかも騙されたことを他社に知られたくないために歯止めがかからないとも報じられていました。

これまでのところ、アップルは取引額の巨大さから他社よりも優先的に部品を確保できており、iPhoneへの大きな影響は見られませんでした。しかしアップルといえども無敵ではなく、やはりサプライチェーンの大混乱からダメージを受けることは完全には避けられないようです。

現在の半導体不足の背景には、中国での減産によって金属シリコン価格が高騰していることや、世界的にPC市場が着実に(米国での供給が逼迫するほど)成長している事情もあり、部品の調達が難しい状況が長引く可能性もあります。

このタイミングでまもなく発売が予想される新型MacBook Proは、十分な台数が生産できているのか。ともあれ、19日午前2時〜の「パワー全開。」イベントではどのような新製品が発表されるのか、当日を待ちたいところです。

Source:Bloomberg

via:9to5Mac