Microsoft「Surface Pro 8」海外レビューまとめ、「Surface Pro」シリーズ正統後継機の実力とは?
現地時間2021年9月22日、Microsoftが純正ノートPCシリーズ「Surface」の最新機となる「Surface Pro 8」「Surface Laptop Studio」を発表しました。安定した人気を誇る「Surface Pro」シリーズの正統後継機である「Surface Pro 8」は2021年11月1日発売予定ですが、複数の海外メディアがすでに先行レビュー記事を公開しており、さまざまなポイントについて評価を下しています。
https://www.theverge.com/22709876/microsoft-surface-pro-8-review
Surface Pro 8 review: The best Surface for people who love the Surface | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2021/10/surface-pro-8-review-the-best-surface-for-people-who-love-the-surface/
新たに登場した「Surface Pro 8」は既存の「Surface Pro」シリーズの最新モデル。一つ前のモデルにあたる「Surface Pro 7」は「Surface Pro X」という派生モデルが同時に登場していましたが、今回同時に登場したのは新型フラグシップの「Surface Laptop Studio」。Surface Laptop Studioはこれまでのフラグシップ「Surface Book」シリーズと、27型のタッチディスプレイを搭載したクリエイター向けPCと位置づけられてきたSurface Studioの要素を組み合わせた機種です。
Surface Laptop Studioがフラグシップとしての位置づけを担う一方、Surface Pro 8はSurface Pro 7とSurface Pro Xが融合したような立ち位置で、外観についてはSurface Pro 8寄り。Surface Pro 8の底面寸法は287mm×208mm×9.3mmで、Surface Pro Xの287mm×208mm×7.3mmと比べると厚さ側が2mm違うのみ。Surface Pro 4から一貫して互換性が存在したタイプカバーはSurface Pro X互換のものに置き換えられました。
Surface Pro 8を前モデルにあたるSurface Pro 7と比較した際にまず気がつくのがディスプレイのサイズです。Surface Pro 8は2800×1920ピクセルの13インチタッチスクリーンディスプレイを有しており、12.3インチディスプレイで解像度が2736×1824ピクセルだったSurface Pro 7とはベゼル部分の太さが異なります。さらにSurface Pro 8のディスプレイは120Hzのリフレッシュレートを達成しており、スムーズな描画を実現しています。
Windows 11で実装される「リフレッシュレートの自動調節機能」はレビュー時点でWindows 11がリリースされていなかったので不明ですが、レビュー時には「アダプティブカラー」と呼ばれる色調自動調節機能は実装されていたとのこと。このアダプティブカラーは周囲の環境に合わせてディスプレイの色温度を調節してくれるそうで、IT系ニュースサイトのThe Vergeは「特に夜間使用時に、目の負担が軽減される」と記しています。
また、パンデミック前に発表されたSurface Pro 7とは異なり、Surface Pro 8は10メガピクセルのリアカメラを備えています。このリアカメラによって実現された4K解像度での自撮りは、一般的な部屋の照明下でも被写体を輪郭ハッキリ&色鮮やかなに写してくれるとのこと。音声に関してもクリアなパーカッションと聴き取りやすい低音を生み出すスピーカーや、遠距離用のスタジオマイク2基によって「素晴らしいビデオ会議を実現できる」という評価でした。
スペックに関してはCPUは「Intel Core i5-1135G7」「Intel Core i7-1185G7」の2択で、GPUはそれぞれのCPUに内蔵されたIris Xe グラフィックスを使用しています。IT系ニュースサイトのArs Technicaが報じた「Intel Core i7-1185G7」のGeekbench 5の結果が以下。シングルコアの性能において、同時発表のSurface Laptop StudioやDellの同価格帯のモバイルノート「XPS 13 9310」などを抑えています。
他方、マルチコアのスコアでは2021年4月発売のSurface Laptop 4が優勢。
定番3Dベンチマークソフトの3DMarkの結果が以下。GPUの結果(紺色の棒グラフ)を見ると、Surface Laptop Studioが圧勝していますが、これはディスクリートGPUを備える上位モデルを比較対象としたためとのこと。
バッテリー寿命の比較が以下、グラフの数値は「分」です。Surface Pro 8のバッテリー持ち時間は画面の明るさが200nit・リフレッシュレートが60Hzの状態で540分(9時間)。バッテリー寿命についてはThe Vergeも「公称では『16時間持つ』とのことなのに、60Hzでは8時間半、120Hzでは7時間ほどしか持たない」と不満気味。一方、充電速度は高速で、50分で最大60%を充電できるとのこと。
全体的な評価について、The Vergeは「Surface Pro 7の最良の部分とSurface Pro Xの最良の部分を兼ね備えた存在」、Ars Technicaは「Surfaceを買うならコレ」と褒めあげていますが、一方で両者が「不満」と口を揃えたのが価格です。Surface Pro 8はCore i5・8GB RAM・128GB SSDのモデルは税込14万8280円、最上位のCore i7・32G RAM・1TB SSDのモデルは税込32万5380円します。
Surface Pro 8 の仕様を選ぶ
https://www.microsoft.com/ja-jp/store/configure/Surface-Pro-8/8QWCRTQ8V8XG
加えて、オプションではあるものの、純正タイプカバーは3万3660円で……
タッチパネルとして使用する場合のSurface スリムペンは1万5950円、スリムペン用充電器は4290円です。
価格については、The Vergeが「AppleのMacBook ProやDellのXPS 13など、同等スペックのクラムシェル型ノートPCならば数万円は安い」、Ars Technicaは「税込3万4980円もするiPad用のMagic Keyboardや税込1万5950円のApple Pencil(第2世代)よりリーズナブルとはいえ、それでも高い」とそれぞれ述べています。