植松良枝さんの「バスク風えびと帆立のエスカベチェ」【旬を味わう華やかデリおかず #3】

おうちレストランで作りたいバスク風のデリカッセン

これまで料理研究家の植松良枝さんに、「雨の日はおうちレストラン」のテーマに合わせたバスク風のレシピを2品教えていただきました。3回目にご紹介いただくのは、「バスク風えびと帆立のバスク風エスカベチェ」です。エスカべチェとは一体、どんな料理なのでしょうか。

「エスカベチェとはスペイン流の南蛮漬け。1回目でも紹介したレリッシュの甘酢バージョンに食材を漬け込むだけなので、スキルいらずで誰でも簡単に作れますよ」と植松さんはいいます。

レリッシュとは細かく刻んだ野菜を甘酢で漬けたもので、バスク地方のバルで親しまれている定番の付け合わせ。魚やたこ、甲殻類などにかけて楽しむことが多いようですが、漬け込みに利用する手もあるのですね。まさに作り置きにぴったりなメニューといえそうです。

「おうちレストランがテーマなので、今回は大ぶりにカットした魚介を使っています。食べ応えがかなりある、リッチな仕上がりになりますよ」と話す植松さん。おうちバル気分を盛り上げてくれる主役級のレシピ、さっそく教えていただきましょう。

日々旨味が増す「バスク風えびと帆立のエスカベチェ」

「このレシピは、バスクのブロチェッタをイメージしています。ブロチェッタは串焼き料理のことで、ブロシェットとも呼ばれるもの。実際に現地のバルではいろいろな魚介を串焼きにして、そのうえにお酢の酸味が利いたレリッシュをかけて食べます。おうちでもレリッシュを用いることで本格的なバスク料理が表現できますし、見た目も華やかになるのでおすすめです。

季節のおいしさも味わってほしいため、今が旬の帆立を具材のひとつとして選びました。旬時期の帆立は身が分厚く、大きいものも多いですから、よりおうちレストランの雰囲気を高めてくれるはずです。

そして、甘みのある甲殻類としてえびもプラス。一尾そのまま使うことで食べ応えもばっちりです。もっとボリュームを増やしたい人は、めかじきを加えても合うと思いますよ」

材料(4人分)

・無頭えび(大)……8尾
・帆立貝柱(大)……8~12個
・小麦粉……適量
・塩……適量
・オリーブオイル……適量

<レリッシュ>
・紫玉ねぎ……1/4個(約60g)
・赤パプリカ……1/4個
・黃パプリカ……1/4個
a. 白ワインビネガー……大さじ4杯
a. はちみつ……小さじ1杯
a. 塩……小さじ 2/3杯
a. オリーブオイル……大さじ4杯

下準備

1. レリッシュを作る。紫玉ねぎ、赤パプリカ、黃パプリカをそれぞれ細かくみじん切りする

2. ボウルに1と(a)を混ぜ合わせる

作り方

1. えびは尾を残して殻をすべてむいたら背わたを除く。帆立とともに塩少々をふって下味をつけておく

2. 1のえびと帆立に小麦粉をうすくはたいておく。オリーブオイルを適量引いて熱したフライパンにえびと帆立を並べ入れ、中火で両面を香ばしく焼く

3. 平らな保存容器に2を半量並べ、レリッシュも半量広げる。同様に残りも段々になるように重ね、ラップで表面を密着させてからフタをする。保存しながら味をなじませていく

デリ風に仕上げるポイント

カラフルな食材を使う

「赤パプリカや黃パプリカなどさまざまな色合いの食材を合わせるだけで、カラフルで華やかな見た目になります。

しかもパプリカはえびや帆立など甘みのある魚介類と相性がばっちり。本場バスクでもよく見られる組み合わせです。味をよりまとめるために、このレシピでははちみつを加えて甘さをプラスしました」

味がよくなじむひと手間を加える

「美しくておいしい作り置きおかずにするなら、保存容器への移し替え方にもひと工夫を。えびと帆立、レリッシュが交互になるようサンドしていくと味がなじみやすくなります。特に身がやわらかい帆立は混ぜ合わせると崩れる場合があるので、段々に重ねる方法がおすすめです。

また、えびと帆立は焼く前に小麦粉を軽く振っておくと、旨味を閉じ込めることができますよ。ちょっとしたコツで味がなじみ、おいしさが増していきます」

スキルいらずで彩り鮮やか!夏場に大活躍のひと品