料理家・中川たまさんに教わる「大人の果物レシピ」【#4 アメリカンチェリーのおいしい食べ方】
中川たまさんに教わるアメリカンチェリーのレシピ3選
料理家の中川たまさんに、大人の果物の楽しみ方を教わる本連載。第4回のテーマはアメリカンチェリーです。
アメリカンチェリーとは、アメリカから輸入されるさくらんぼの総称。旬は品種によって微妙に異なりますが、5月上旬から7月下旬ごろまで続きます。
1. アメリカンチェリーとパンチェッタのサラダ
「ルッコラ、パンチェッタ、カッテージチーズにチェリーを合わせる爽やかなサラダ。チェリーが甘みや酸味の役割、パンチェッタやカッテージチーズはコク出しの役割をしています。動物性の食材が入ることで、サラダでもしっかりと満足感が出るので、パンを添えただけで立派なランチになりますよ」
材料
・アメリカンチェリー……10粒
・パンチェッタ……50g
・カッテージチーズ……大さじ2杯程度
・ルッコラ……ひとつかみ程度
・ビネガー……大さじ1杯
・塩、こしょう……各少々
・オリーブオイル……大さじ1杯
作り方
1. チェリーは、柄を取り、半分に切って種をとる
2. パンチェッタはひと口大に切り、フライパンで焼く。ルッコラは食べやすい大きさにする
3. ボウルに1と2、カッテージチーズを合わせ、オリーブを回しかけて和える。ビネガー、塩、こしょうを加えてさらによく和える
ポイント
「パンチェッタがなければベーコンでもOKです。ルッコラ以外にも、サニーレタスやベビーリーフなど、サラダ向きの野菜であればなんでも合うと思います。味付けはごくごくシンプルにして、チェリーの甘みや酸味を楽しんでくださいね」
2. アメリカンチェリーのビターチョコレートケーキ
「テリーヌのようになめらかなチョコレートケーキ。ビターなチョコレートとチェリーの甘酸っぱさが絶妙にマッチします。冷やしてアイスを添えて食べると、夏場にぴったりですよ。キルシュやラム酒、ブランデーなど、お好みの洋酒を塗って大人っぽく仕上げてくださいね」
材料
・アメリカンチェリー……8個
・ビターチョコレート(細かく刻んだもの)……100g
・卵……3個
・ココアパウダー……大さじ2杯
・アーモンドパウダー……大さじ1杯
・きび砂糖……50g
・米油……1/4カップ
・キルシュやラム酒……お好みで少々
作り方
1. アーモンドパウダーとココアパウダーは合わせてふるっておく
2. ボウルにビターチョコレートと米油を入れ、湯煎にかけてなめらかになるまで溶かす
3. 卵を卵黄と卵白にわける。ボウルに卵黄ときび砂糖の半量を入れ、白っぽくなるまで泡立て器ですり混ぜる。1、2の順に加え、その都度よく混ぜ合わせる
4. 別のボウルに卵白を入れて五分立てにする。残りのきび砂糖を3回にわけて加えて角がピンと立つくらいまで泡立ててメレンゲを作る
5. 3に4のメレンゲを3回にわけて加える。1回目は泡立て器でよく混ぜ、2、3回目は、ゴムべらでさっくりと混ぜ合わせる
6. オーブンシートを敷いた耐熱容器に流し入れる。150℃に温めたオーブンに入れて天板に熱湯を注ぎ入れ、20分湯煎焼きにする
7. チェリーを加えてさらに10分~15分焼く
8. 焼き上がったら表面にキルシュを塗り、食べる直前にお好みで粉糖をふる
ポイント
「チェリーは最初にのせると沈んでしまうので、チョコレートケーキが半分くらい焼けて、表面が少し固まってからのせるのがポイント。焼き上がりすぐは軽やかな食感で、冷蔵庫でしっかりと冷やすことでよりしっとと濃厚な味わいになります」
3. アメリカンチェリーとさくらんぼのビネガーコンポート
「アメリカンチェリーとさくらんぼをミックスさせたビネガーコンポートです。歯ごたえのあるアメリカンチェリーと、風味がよいさくらんぼ。ミックスすると味や食感の違いが楽しめますよ。ビネガーやシナモンを加えて、キリッと大人味に仕上げています。煮込む時間はさっと1~2分ほどにして、ジューシーな果肉を堪能してくださいね」
材料
・さくらんぼ、アメリカンチェリー……合わせて200g
a. 赤ワイン……1カップ
a. シナモン……1本
a. はちみつ……大さじ2杯
a. ビネガー……大さじ1杯
a. 水……1/2カップ
作り方
1. 鍋に(a)を入れ中火にかける
2. 沸いたら弱火にし、アメリカンチェリーとさくらんぼを加え約1~2分火にかける
3. 火を止めペーパータオルをかけ、そのまま冷ます
ポイント
「シロップが少し多めにできあがる分量にしています。というのも、このシロップがとってもおいしいんです。炭酸水で割ってドリンクにして楽しんだり、シロップごとゼリーにしたりするのもおすすめ。コンポートはシロップに浸かっている状態で約2週間ほど冷蔵保存ができますよ」
今がおいしい。アメリカンチェリーを味わい尽くすレシピ
さっと火を入れてコンポートにしたり、はたまたオーブンでじっくりと焼き上げたり。アメリカンチェリーの楽しみ方が広がるレシピを3品教わりました。
アメリカンチェリーは色が鮮やかに出るので料理が映えると中川さんは云います。いつもの食卓がパッと華やぐこと間違いなしですよ。
そのままでももちろんおいしいですが、たまにはひと手間を加えて、今がおいしいアメリカンチェリーを存分に味わい尽くしましょう!
取材・文/高崎瑞輝(macaroni 編集部)
撮影/ 實重かおり(macaroni 編集部)