日曜午後に行われたSCフライブルク戦では、バイエルン・ミュンヘンのハンジ・フリック監督は、前半28分にセルゲ・ニャブリが負傷を抱えたために、急遽交代を余儀なくされた。「重傷ではなく、筋肉が張っただけだと思う。すぐに治療を受けており、比較的早く復帰できると思うよ」と、試合後にコメント。

 ただこの不測の事態にも、代わりに投入されたリロイ・サネが、これまでよりも良いパフォーマンスで期待に応えたこともあり、バイエルンは公式戦2連敗という悪い流れを勝利という形で食い止めることになる。ただそれは決して、決勝点となったミュラーのゴールをアシストしたというだけではない。

 「彼は守備に対してもとても良い取り組みを見せてくれた」と賛辞をおくった指揮官は、「背後に向けてのスプリントも本当にしっかりとこなしていたよ」とコメント。ドイツ代表で同僚のレオン・ゴレツカも、「改めて彼の重要性を示してくれたね。気持ちの面の強さはトップレベルだった。最後の10・15分でもさらに後ろにスプリントしていたし、あれこそ僕たちが目にしたいと思っているものだよ」と語っている。

 またフリック監督はチーム全体についても総評として、苦しい日々を過ごしている中で「再び良い流れに向かっていると思う」との印象を述べており、コミュニケーションの改善は「みたかったものだ」と評価。さらに順位表の上でも、勝ち点4を得られたことは良かったと安堵した。


 ジェローム・ボアテングは「常に美しくなくて良い、ただ勝利をしていかないと」と強調しつつ、「今日は努力で掴み取ったものだったと思うね」と説明。「プレー内容は改善の余地があるけど、そう簡単にいかないことはここのところの戦いで目にしていること。最後は危険な時間もあったけど、それも自分たちの責任だ」と言葉を続けている。

 その改善点としては、まずオフェンス面において「試合を決めてしまわないと。3・4回はビッグチャンスがあった」と決定力不足によるところだが、守備面においてもフライブルクの同点ゴールの前のシーンについて振り返り、「2・3人がデイヴィースにノイアーに戻せると言っていたのに、コーナーに逃げてしまった。そういう不用意なプレーが失点につながってしまうものだよ」と苦言。

 それでもフライブルク側が試合後に、「勝てたと思う」(ペテルセン)、「勝つチャンスはあった」(ヘフラー)と口にしていたのに対して、ボアテングは「彼らがそう思うことは自由だけど、でも結局何も手にしてはいないのだし」と反論、「全体的にみて僕たちが勝利に見合っていたと思うよ。チャンスの数でみてもね」と語った。