『HOTPOT羊SUNRISE』の火鍋 | 食楽web

 こんにちは。羊肉の美味しさを啓蒙する集団「羊齧協会(ひつじかじりきょうかい)」で主席を務める菊池です。

 最近、美味しいもの好きの人に、東京・麻布十番のジンギスカンのお店『羊SUNRISE』の話をすると、十中八九「ああ、あそこ!」と嬉しそうに反応されることが多いのに気づきます。東京の羊好きから絶大な人気を誇る羊SUNRISEですが、実は今年(2020年)10月から、茨城県つくば市で火鍋の店『HOTPOT羊SUNRISE』を始めたと聞き、さっそく行ってきました。

 店がある研究学園駅は、東京・秋葉原からつくばエクスプレスで49分。茨城って意外と東京から近いんですね。というわけで、駅から徒歩5分の場所にあるお店に到着。周囲にチェーン店系のお店が並ぶなか、ひときわ異彩を放つ店構え。ただならぬオーラが漂っています。店内に足を踏み入れると、羊の香りがふんわり鼻孔をくすぐります。これは期待が高まる!

店構えからただならぬ羊愛を感じます

 そもそも、なぜつくば市で鍋の店を開いたのか気になっていたのですが、羊SUNRISEは、オーナー始めスタッフの多くが茨城出身。そして、茨城県は以前「種羊場」と呼ばれる羊の繁殖基地があったほど、羊肉と縁が深い土地なんだそうです。

 故郷であり、羊との縁もある。そして、みんなが知らない茨城の魅力がまだまだある! というわけで、羊肉を中心に、地元の野菜やお酒なども多く扱っているとのこと。羊愛と地元愛の共通項が「茨城で羊の店をやる!」ということだったそうです。

 つくば市への出店理由もわかったところで、いよいよ火鍋をいただきます!

羊SUNRISE流の火鍋は最高だった!

店内はカウンターメインで、半個室もある落ち着いた空間

 とにもかくにも食べてみたい! ワクワクして待っていると、目の前に登場したのが写真のセット。一瞬、調味料かな? と思いましたが、実は奥に見えるグラスに火鍋のスープが4種類入っており、まず味見したうえで、そこから2種類を選ぶというサービスでした。

コースは8000円から。奥の4つのグラスで鍋スープを味見して2種類を選びます

 ちなみに、この日の鍋のスープは下記の4つ。ネーミングからしてこだわりを感じます。今回は1と2をチョイスしました。

1)うま味緑茶のこくキレスープ
2)羊と筑西トマトの出会い
3)五加皮とカカオ香る薬膳白湯
4)羊サンライズ特製火鍋

 一般的な鍋のお店だと、メニューの写真と解説だけで選ぶことがほとんどなので、味の想像がつかず、たまにハズしてしまうことがありましたが、これなら安心ですね。素敵なサービスだと感動。

美しい肉はとりもなおさず旨いもの

 そして肝心の羊肉もまたスゴかった。論より証拠。写真をご覧あれ。本当にきれいな“美肉”だと思いませんか? 羊肉に限らず、良い肉を選ぶ際の最も確実な方法は「見た目がウマそうなものを直感で選ぶ」が筆者の身上なので、食べる前からこの肉は絶対旨いはず、と確信。そして実際に口にすると、想像以上でした。

厚切りで提供されるので、店員さんが部位ごとに食べ方をレクチャーしてくれます

 今回の羊肉は、「奥州市江差産ホゲット」、「オーストラリアバスチャーヘッドラム」。

 江差産ホゲットはメディアにも多く取り上げられている実績のある国産羊。バスチャーヘッドラムは最近評判がどんどん上がってきているお肉です。あっさりした味わいの国産から、濃厚で羊感溢れるバスチャーヘッドラムの組み合わせです。肉や野菜を食べ進むうちに、その旨みがどんどんスープに溶け込んで、ますます味わい深いスープに進化していきます。これは満足度が高いです。

茨城産の大粒ピーナツ、マッシュルーム、山口県産の山芋など

 食材は茨城産を多く扱っているというのは前述したとおりですが、ほかにもオーナー自ら日本全国を巡って見つけてきた「一番羊に合う食材」が盛りだくさん。羊肉以外の料理も秀逸です。

 食事中も、料理や酒の特徴やこだわりについて、スタッフさんが懇切丁寧に教えてくれます。羊や野菜の話で盛り上がりつつ料理を堪能する…。このコミュニケーションの楽しさも、『HOTPOT羊SUNRISE』の醍醐味です。

 ぜひみなさんも一度訪れてみてください。きっと羊肉の美味しさに目が丸くなると思いますよ。

●SHOP INFO

店名:HOTPOT羊SUNRISE

住:茨城県つくば市研究学園5-14-3 リベルタビル1A
TEL:029-886-6130
営:17:00~22:00(LOは料理21:00、ドリンク21:30)
休:月曜、第1・3日曜日

●著者プロフィール

菊池一弘

羊齧協会主席。羊肉を常食する岩手県遠野市出身の父の影響で、羊肉料理に親しんで育つ。北京留学中に現地の味に触れ、その魅力に開眼して羊好きの消費 者団体「羊齧協会」を結成。本業はイベントの開催・運営、場作りのプロとしてのアドバイザー業務など。最近は四川フェスの運営団体麻辣連盟の幹事長も兼務。監修書籍に「東京ラムストーリー」(実業之日本社)、「家庭で作るおいしい羊肉料理」(講談社)など。
http://hitujikajiri.com/