嵐や白石麻衣は大成功、音楽業界の「勝ち組」がごく一部だという現実
全国のファンを釘付けにした、活動休止前の嵐による実質的なラストライブ『アラフェス2020 at 国立競技場』。
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今月3日に無事配信され、6日から8日まで、再配信が行われている。
「いずれパッケージが発売されることになる。DVD、ブルーレイ化されれば、100万本単位で売れるのが嵐の力。経済効果が300億円と報じたスポーツ紙がありましたが、ジャニーズ事務所は一切、数字的なものの発表をしていません」と情報番組デスク。
音楽業界を蝕むコロナ
今年6月、バンド史上初となる無観客ライブを行ったサザンオールスターズのケースは、3600円のチケット購入者が約18万人だった。売り上げの一部は寄付に回された。
つい先日行われた、乃木坂46の白石麻衣(28)の卒業コンサートのチケットは、国内外合わせて約23万枚が売れた。料金設定は2種類あるため単純計算はできないが、平均4000円で換算すると約9億円の売り上げになる。
「ビッグネームだけですよ、こんな商売ができるのは」
そう冷ややかに伝えるのはスポーツ紙音楽担当記者だ。真意を明かす。
「コロナ禍が音楽業界全体の足腰を弱らせている。ここ数年、CDの売り上げが落ち、その代わり順調だったのがコンサート収入だった。今はそれができない。さらに音楽業界を弱体化させているのはツアーができないことです。ツアーがあれば機材運搬のトラックドライバー、会場設置スタッフ、地元のイベンター、ケータリング業者、打ち上げの会場費、大人数の宿泊費など、多くの場所や人にお金が落ちるんです。それがないのがつらい」
スタジオを持っていたミュージシャンは、その家賃を払えないために手放す人もいたという。
「どんな有名なミュージシャンも、今は仕事がないので、すぐにブッキングできますよ。ただし、自宅でレコーディング作業ができて、データで送れないとダメですけどね」(音楽評論家)
音楽業界の勝ち組と見られていた、あのエイベックスでさえ希望退職を募るというニュースがつい先日、明らかになり、業界関係者に衝撃を与えたばかり。一部アーティストが潤う中で、潤えないアーティストやレコード会社などが青息吐息だ。
〈取材・文/薮入うらら〉