脳がないのに問題解決ができ720もの性別を持つ謎に包まれた新種の全貌が公開される
「脳を持たないが問題を解決でき、手や口を持たないが食べ物を検知して消化でき、足がないのに移動可能、菌のように見えて生き物のように振る舞う、720もの性別を持つ『何か』」という新種の生物をフランスのパリ動物園が公開しました。
Rendez-vous Sauvage Europe | Parc Zoologique de Paris
https://www.parczoologiquedeparis.fr/fr/agenda/rendez-vous-sauvage-europe-3056
https://www.reuters.com/article/us-france-zoo-blob/paris-zoo-unveils-the-blob-an-organism-with-no-brain-but-720-sexes-idUSKBN1WV2AD
「Blob」がいかに不思議な生物なのかは以下のムービーを見るとよくわかります。
'Blob' makes first appearance at Paris zoo | AFP - YouTube
Blobを世界で初めて公開したのはパリ動物園。土や草木の入った水槽をよく見てみると……
木に黄色い藻のようなものがついています。これがBlob。
Blobは脳や口、目、耳などを持ちませんが、食べ物があることを検知し、実際に食べることも可能。また手足を持ちませんが移動でき……
脳がないにも関わらず問題解決までできます。
「Blobは今日の地球上で最も変わったものの1つです。何百年も前から存在する種ですが、一体これが『何』なのかはまだわかっていません。動物なのか菌なのか……その間のものかもしれません」と語るのはパリ自然史博物館でディレクターを務めるBruno David氏。
「Blobは時に動物のような行動をみせます。記憶することもできれば、迷路のような問題も解決できます」
シャーレの中に入った大量のBlobが並んでいます。
エサとしてオートミールが与えられています。
「Blobの進化は見えますが、裸眼で直接見ることはせきません。2〜4時間後に来ればわかりますよ」と語るMarlene Itan Gardenerさん。
パリ動物園には顕微鏡を通したBlobの映像が映し出されるスクリーンも設置されました。
さらにBlobの生態について語られるパリ動物園の公式ムービーは以下から。
Cultivateurs de blob - YouTube
パリ動物園に勤務し、「生き物を育てて一般に展示する」という職務につく、Frederic Geoffriauさんと、先ほどのムービーにも出演していたGardenerさん。
2人は展示を行うための、可能な限り大きな生き物を育てました。
シャーレのBlobをこそぎとるGardenerさん。
これを……
別のシャーレに存在するBlobに統合していきます。
Blobが生息するのはアカシアの木。ここに霧吹きで水をかけ……
ここに少量のBlobを乗せます。温度は19〜25度、湿度は80〜100%が適しているそうです。
以下のように、Blobは木を中心にどんどんと広がっていきます。
Blobは2つに分断されても2分以内で自己治癒で元に戻ることができ、2つのBlobを統合すると1つのBlobの「知識」が他方に情報伝達されるという、とにかく生態が不思議な点であふれています。なお、Blobは1958年のSF映画「SF人喰いアメーバの恐怖(原題/The Blob)」にちなんで名付けられたそうです。