中国メディアは、現在の日本経済は黄金期といえる1980年代からは想像もできないほど状態が悪化しており、「当時の輝きはすでに失われてしまった」ことを強調した。(イメージ写真提供:123RF)

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 国内総生産(GDP)は経済成長の速度を理解するための指標となるが、中国メディアの今日頭条はこのほど、日本経済の動向を分析し「黄金期と比較すると現在は手に負えないほど、ひどい状態にある」と主張する記事を掲載した。

 記事は、日本経済の黄金期は1980年代だったと伝え、当時の日本は自動車産業、半導体などの分野において米国を追い越し、世界経済を支配する勢いがあったと指摘する一方、現在の日本経済は当時からは想像もできないほど状態が悪化しており、「当時の輝きはすでに失われてしまった」ことを強調した。

 続けて、日本の2019年のGDP成長率は実質で0.9%程度と予測され、1月の予測から0.4%も低下したことに着目。米中貿易摩擦の激化、ハイテク分野の覇権争い、また中国経済の減速など、「世界経済の先行きが不透明な状態が日本の輸出に大きな影響をもたらしている」とその要因を伝えた。

 続けて、日本は消費税増税に伴う駆込み需要や各種政策の効果、世界経済の回復などによって2020年は実質1.2%増と見込んでおり、「楽観的な姿勢を示している」と指摘。しかし、中国は「現在の日本経済は極めて深刻な状況であり、成長はかなり難しい」と捉えていると指摘した。

 中国国家統計局によると、2019年上半期の中国の実質GDP成長率は前年同期比6.3%増と1992年以来最低の水準となっているが、それでも日本よりはるかに成長できているのは事実だ。だが、中国としては高度経済成長から一転した日本の姿に将来の自身の姿を重ねると危機感も覚えるようで、日本経済から得られる教訓を模索しているようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)