「世間の常識なんて関係ない」と開き直るかのようなブラック企業には、働く人が「こんなのありなのか!」と驚くルールを設けるケースがある。キャリコネニュース読者から寄せられた、ブラック企業で衝撃を受けたエピソードを紹介する。

技術職の20代女性は、前職で「プライバシーの概念が一切なかった」ことを振り返る。履歴書記載の住所をグーグルストリートビューで検索して家の外観や所有者をチェックしていたという。

「オフィスには社員を監視するカメラだらけで、密かに盗聴器も設置されていました。それに、『働くお母さんを応援する企業』とアピールしながら、30代以上の女性から履歴書が送られてくると『ババアはいらない。断れ!』との門前払いでした」

また、タイムカードは何時に押しても、定時打刻されるように細工されていたという。

帰らせてと伝えたら、「うちはブラックだから」と開き直り

販売・サービス業の30代男性は、元勤務先が上場するにあたりトップから「これまでの残業代を支払う」と通告があった。男性は期待していたが、実際は「これまでのサービス残業に関して異議申立てをしない代わりに現金10万円を支給」という、斜め上を行く対応だった。

「私を除く20名弱の社員はそのままその条件でOKし、署名捺印をして現金を受け取りました。しかし私は納得がいかず、弁護士を立てて会社と争い、かなりの金額の未払残業代を回収できました」

過去に運送会社で働いていた40代男性は、午前2時に出勤し、20時からのシフトにも続けて入ったことがある。男性が上司に「退勤させてほしい」と伝えても、上司はダメの一点張り。入社面接時で確認した労働条件と違うと食い下がったが、「うちはブラックだから」と開き直ったという。

「せめて面接時にブラックだと言ってくれたら入社しなかったのにと返したら、『それじゃ誰も入社しないでしょ』と言ったんです。入社8か月で退職しました」

「なぜ土曜を休んでいるんだ。出社しろ」「勝手に出社しているのだから打刻するな」

クリエイティブ職の40代男性は、求人票に書かれた「土日休み」の条件を信じて入社した。しかし、土曜日に休んだところ、翌週の出勤時に上司から「なぜ土曜を休んでいるんだ。出社しろ」と怒られてしまった。

「仕方ないのでその週の土曜に出社したら、なんと全員がオフィスに来ていたんですよ。土日休みなんて嘘でした」

驚きながらもタイムカードを押そうとしたら、上司から「自分の意思で勝手に出社しているのだから、土日出社時に打刻してはいけない」と言われた。完全にタダ働きを強要されていた。それだけでなく、

「仕事でミスをした営業スタッフが『坊主』にさせされていました」
「私用で有休をとりたいと上司に申請したら、『有休は会社が好意で社員に支給しているもの。だから私用で使うのは失礼』と言い、休めませんでした」
「仕事を先輩に教わろうとしたら、『仕事を教わるなら有料だ』と真顔で言われ、本当に業務の進め方を教えてもらえなかったことがありました」

など、豊富なブラック体験を寄せた。

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