「12億円を捨てて2200万円を選ぶ」。新庄剛志をスターにした成功への考え方
2017年冬、まさかの20億円の横領詐欺被害をテレビ番組『しくじり先生』で告白したのは、元メジャーリーガーで現在はバリ島に暮らす新庄剛志さんだ。お金をだまし取られたのに、それを笑い飛ばしながら生きている新庄さんの姿に世間は驚いた。
そんな新庄さんの著書『わいたこら。――人生を超ポジティブに生きる僕の方法』(学研プラス刊)は、番組でも発した「わいたこら」(九州弁で「なんじゃこりゃ」)という言葉をタイトルに据え、そのポジティブさの源泉とスターであり続けられた理由がつづられている。
では、なぜここまでポジティブでいられるのだろうか。彼がメジャーリーグに移籍した際のエピソードを取り上げよう。
■「もっと叩け!」――新庄はなぜポジティブでいられるのか?
当時「5年12億円契約を捨てて、メジャーへ単年2200万円」という無謀な挑戦を選んだ新庄さんを、多くの日本人が「無理」「日本の恥」と叩いた。
しかし新庄さんは、それが「嬉しかった」と明かす。「自分が求めていたのはこれだ。もっと叩け」。そう思い、二軍の選手のように目をギラつかせていた。
実際メジャーの選手たちのレベルは高く、新庄さんに求めるレベルも高かった。しかし、そこで心が折れることはなく、むしろその状況すべてを楽しんでいたという。
「スターはこういう逆境を経験しなくちゃ」。この言葉はまさに新庄さんのポジティブさをあらわしている。
メジャーから日本に戻り、日ハムに入団を決めたときの動機は年俸ではなく、「このチームを優勝させたら、どれだけ格好いいだろう?」だ。常に逆境に身を置き、成功までの道筋を見極め、その道を邁進する。そして日ハムで実際に日本一をつかみ取れたのは、新庄さんだからこそだろう。
■努力している姿を見せるのは、かっこ悪い
日米通算1524安打、225本塁打。新庄さんがプロ野球選手として残した成績は一流と呼べるものだ。そして多くの人は、新庄さんは天才だと思っている。確かに抜群の身体能力は持って生まれたものだろう。しかし、それだけで生き残っていけるほどプロの世界は甘くない。
「努力は絶対に見せたくなかった」と新庄さんは振り返る。
プロ入り当初、パワー不足の壁にぶつかった。そのため、他の選手たちが練習を終えた後も新庄さんは練習を続けた。しかし、練習している姿を見せたくないため、一度みんなが練習を終えるタイミングで自分も練習場を出て、その後、仲良くなった係員のおっちゃんから練習場のカギを借りて一人でベンチプレスの続きをしていたという。
努力を見せることが評価につながることもある。しかし新庄さんはそれをしようとしなかった。なぜならば、彼は「スターになるために練習をしていたから」だ。
練習をせずとも結果を出せる。そんな人の心をわしづかみにするスターを目指すために、人の4倍は練習をしたと新庄さん。ただ、今は「才能も大事だけど、努力も大事」と素直に言えるという。
■新庄がこれから向かおうとする場所とは?
冒頭にも挙げたように現在はバリ島で暮らしている新庄さん。日本であれだけお金で大失敗をしていながら、まだ素直に人を信用してしまうと語る。しかし、正直な人が多いバリ島の人間関係はちょうど新庄さんに合っているようだ。
ただ、今の生活をずっと続けていくとは言い切れないとも語る。もう1度、お金を稼ぐことにチャレンジしたいという気持ちを吐露する。ただ、その興味は「リッチな生活」ではなく、「お金を稼ぐまでのサクセスストーリー」にある。
どんな状況においても、スターへの道をひた走る姿を見せてくれるのが、新庄剛志という男なのかもしれない。しくじってもなんとかなる、逆境こそ成功をつかみとる最大のチャンス。そんなことをこの『わいたこら。』という本は教えてくれるはずだ。
(新刊JP編集部)
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そんな新庄さんの著書『わいたこら。――人生を超ポジティブに生きる僕の方法』(学研プラス刊)は、番組でも発した「わいたこら」(九州弁で「なんじゃこりゃ」)という言葉をタイトルに据え、そのポジティブさの源泉とスターであり続けられた理由がつづられている。
では、なぜここまでポジティブでいられるのだろうか。彼がメジャーリーグに移籍した際のエピソードを取り上げよう。
当時「5年12億円契約を捨てて、メジャーへ単年2200万円」という無謀な挑戦を選んだ新庄さんを、多くの日本人が「無理」「日本の恥」と叩いた。
しかし新庄さんは、それが「嬉しかった」と明かす。「自分が求めていたのはこれだ。もっと叩け」。そう思い、二軍の選手のように目をギラつかせていた。
実際メジャーの選手たちのレベルは高く、新庄さんに求めるレベルも高かった。しかし、そこで心が折れることはなく、むしろその状況すべてを楽しんでいたという。
「スターはこういう逆境を経験しなくちゃ」。この言葉はまさに新庄さんのポジティブさをあらわしている。
メジャーから日本に戻り、日ハムに入団を決めたときの動機は年俸ではなく、「このチームを優勝させたら、どれだけ格好いいだろう?」だ。常に逆境に身を置き、成功までの道筋を見極め、その道を邁進する。そして日ハムで実際に日本一をつかみ取れたのは、新庄さんだからこそだろう。
■努力している姿を見せるのは、かっこ悪い
日米通算1524安打、225本塁打。新庄さんがプロ野球選手として残した成績は一流と呼べるものだ。そして多くの人は、新庄さんは天才だと思っている。確かに抜群の身体能力は持って生まれたものだろう。しかし、それだけで生き残っていけるほどプロの世界は甘くない。
「努力は絶対に見せたくなかった」と新庄さんは振り返る。
プロ入り当初、パワー不足の壁にぶつかった。そのため、他の選手たちが練習を終えた後も新庄さんは練習を続けた。しかし、練習している姿を見せたくないため、一度みんなが練習を終えるタイミングで自分も練習場を出て、その後、仲良くなった係員のおっちゃんから練習場のカギを借りて一人でベンチプレスの続きをしていたという。
努力を見せることが評価につながることもある。しかし新庄さんはそれをしようとしなかった。なぜならば、彼は「スターになるために練習をしていたから」だ。
練習をせずとも結果を出せる。そんな人の心をわしづかみにするスターを目指すために、人の4倍は練習をしたと新庄さん。ただ、今は「才能も大事だけど、努力も大事」と素直に言えるという。
■新庄がこれから向かおうとする場所とは?
冒頭にも挙げたように現在はバリ島で暮らしている新庄さん。日本であれだけお金で大失敗をしていながら、まだ素直に人を信用してしまうと語る。しかし、正直な人が多いバリ島の人間関係はちょうど新庄さんに合っているようだ。
ただ、今の生活をずっと続けていくとは言い切れないとも語る。もう1度、お金を稼ぐことにチャレンジしたいという気持ちを吐露する。ただ、その興味は「リッチな生活」ではなく、「お金を稼ぐまでのサクセスストーリー」にある。
どんな状況においても、スターへの道をひた走る姿を見せてくれるのが、新庄剛志という男なのかもしれない。しくじってもなんとかなる、逆境こそ成功をつかみとる最大のチャンス。そんなことをこの『わいたこら。』という本は教えてくれるはずだ。
(新刊JP編集部)
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