石川県かほく市の子育て支援プロジェクト「ママ課」の意見交換会での発言に端を発する「独身税」騒動が日本国内で起きたが、独身者の増加が社会問題化している中国でも議論が起きたようだ。中国メディア・中国青年報は8日「日本での独身税を巡る議論に、中国のネットユーザーも落ち着いていられなくなった」とする記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 石川県かほく市の子育て支援プロジェクト「ママ課」の意見交換会での発言に端を発する「独身税」騒動が日本国内で起きたが、独身者の増加が社会問題化している中国でも議論が起きたようだ。中国メディア・中国青年報は8日、「日本での独身税を巡る議論に、中国のネットユーザーも落ち着いていられなくなった」とする記事を掲載した。

 記事は「実際、『独身』、『子どもを生まない』といった問題は日本にだけでなく、中国にも存在する。中国の独身者は年々増加しており、2015年には独身の成人男女がすでに2億人を超えたという統計がある。16年末における人口の男女比は女性100に対して男性が104.98で、男性が3359万人多くなっているのだ」とした。

 そして、中国政府や各省庁による年頭の会議で独身者の増加などが社会問題として取り上げられ、扶養対象の子がいる家庭の税負担をいない家庭よりも軽減するシステムなどの模索が提起されると、中国のネット上では「中国版の独身税がやって来る」との議論が起きたことを紹介。今回の日本での騒動によりこの議論が再燃したと伝えている。

 記事によれば、中国のネット上の議論では「結婚するかどうかは個人の選択。独身を選ぶのは、結婚した人の負担を肩代わりするためじゃない」、「全ての人がリッチな生活を求めて独身を選んでいるわけではない。相手がいない、お金がないという独身者も多い。それで独身税を払えとなってら心が壊れてしまう」といった声が出ているという。また「節約して独身生活をキープすればいいではないか」「それでもやっぱり、結婚するより税金を払った方がいい」との意見も見られたようだ。

 騒動の発端となった同市はそもそも「独身税」の導入は考えておらず、「独身税」という言葉だけが独り歩きしている状況のようだが、今回の件が大きな議論を呼んだ背景には「独身」という言葉に社会全体が敏感になっていることの表れと言えそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)