常総学院vs土浦一
常総学院は秋の県大会初戦で常磐大高に敗れ、秋の県4強入りを果たせず春の地区予選免除とならなかった。春の地区予選に出場するのは平成23年以来4年ぶりとなる。牛久市運動公園野球場の観客席は大入りの超満員となった。
先攻・常総学院の先発は背番号3の左腕・吉田秀磨（3年、富勢中・千葉ファイターズ）が、後攻・土浦一の先発は背番号1の右腕・堀内 真（3年、吾妻中・オール県南）が任された。
1回表、常総学院は先頭の陶山 勇軌（3年、城南ボーイズ）がセンター前ヒットで出塁し、盗塁でチャンスを作るが得点には至らない。
3回表、常総学院が先制する。先頭の9番・田口岳（3年、松戸中央ボーイズ）がレフト前ヒットで出塁すると、1番・陶山のライト前ヒット、2番・佐々木風人（3年、取手シニア）の送りバントは野選となり無死満塁。ここで3番・宮里 豊汰（3年、中本牧シニア）がセンター越スリーベースを放ち3点を先制する。さらに四球で一死一、三塁から、6番・齋藤俊平（3年、つくば中央シニア）のレフトオーバー三塁打で2点、続く7番・野澤翔（2年、水戸シニア）のライトへの犠牲フライで1点を追加し、この回大量6点を奪う。
4回表、土浦一は2番手にライトの守備に就いていた右腕の西山 慧（3年、鹿島中）をマウンドへ送る。常総学院は先頭の9番・田口が四球、1番・陶山の内野安打、2番・佐々木の野選で無死満塁のチャンスを作る。一死後、4番・手塚駿（3年、城南ボーイズ）の内野ゴロがエラーを誘い1点。さらに6番・大曽根 伸哉（3年、取手ファイトクラブ）がセンターに犠牲フライを放ちこの回2点を追加する。
4回裏、常総学院は2番手に背番号18の右腕・岡田幹太（1年、京葉ボーイズ・U15日本代表）をマウンドへ送る。ここまでノーヒットに抑えられる土浦一だが、一死から4番・橋本康太（3年、谷田部東中）がライトへクリーンヒットを放って出塁。しかし後続は打ち取られる。
5回表、常総学院はさらに猛攻を仕掛ける。先頭の7番・野澤がライト前ヒットで出塁すると、代打・大久保龍成（2年、つくば中央シニア）の右中間ツーベースで1点。さらに9番・田口のライト前ヒットで無死一、三塁から1番・陶山のセンターオーバーの二塁打で1点。なおも無死二、三塁から2番・佐々木のレフトオーバーの二塁打で1点。3番・宮里のセンターへの犠牲フライで1点。この回は4点を追加し、その差を12点とする。
5回裏、常総学院は3番手に背番号19の右腕・篠塚龍弥（3年、取手ファイトクラブ）を送る。後がない土浦一だが、三者凡退に倒れ5回コールドで試合終了となる。
常総学院は11安打の猛攻撃を仕掛け土浦一に大差で勝利した。中でも1番を打つ好打者・陶山 勇軌は4打数4安打3得点と攻撃の起点となる活躍を見せた。打線は3番から8番まで一発のある強打者が並び、1学年上のチームに勝るとも劣らない厚みを感じさせる。
投手陣は背番号1を背負う右スリークオーター・柴山尚輝（3年、土浦三中・オール茨城）や背番号10の右腕・小林 克弘（3年、取手ファイトクラブ）の登板はなかったが、先発左腕の吉田秀磨が3イニングを無安打与四球3で無失点。1年生の岡田幹太が公式戦デビュー登板を果たし無失点に抑えるなど収穫があった。春季県大会では上位進出の最有力候補として挙げたい。
敗れた土浦一は堀内 真、西山 慧と2枚の130キロ好右腕を常総学院打線にやすやすと攻略されてしまった。打線は4人のランナーを出したものの三塁を踏むことができず反撃の糸口をつかめなかった。このクラスと五分で渡り合うにはピンチを切り抜けながら少ないチャンスを確実にものにするしかない。この敗退を夏の糧として欲しい。
（文・写真＝伊達 康）
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