豊中vs門真西
部員12人の門真西が結束力の強さを見せた試合となった。
豊中ローズ球場で行われた一戦。まず試合の主導権を握ったのは、豊中だった。まず3回表、敵失の間に1点を先制。さらに5回表、二死一、二塁から4番信田の2点適時打で適時打と2点を追加し、さらに二死二、三塁からセーフティスクイズと相手の敵失の間に二者生還して、5対0と点差を広げた。
だが、門真西サイドに焦りはなかった。就任2年目の江籠拓朗監督は、「5点差ならば取り返せる点差だよ。選手にずっと言い続けてきましたし、それぐらいの点が取れるチームだと思っています」と明かす。
そして7回裏、ついに門真西ナインが豊中の先発・有澤を捉える。無死満塁のチャンスから内野ゴロなどで2点を返す。しかし8回表、豊中が一死二、三塁のチャンスを作り、1番雨宮の犠飛、2番山本の適時打で7対2と再び5点差に。豊中にとっては大きな2点が入ったと思われたが、8回裏、門真西は「まだまだ5点差！」とベンチ内で奮い立たせて、8回裏、豊中の2番手の吉村を攻め立てる。
無死一、二塁から5番岩元の適時三塁打で2点を返すと、さらにバッテリーミスや、8番久保の適時打で1点差まで追い上げると、再び相手バッテリーミスで一気に同点に追いついた。相手のミスがあったとはいえ、追いつくことができたのは門真西の気迫がもたらしたものだろう。
しかしここからなかなか点が入らず。延長13回に突入。このイニングから無死一、二塁からタイブレーク方式でスタート。まず豊中は2番山本が犠打を送り、一死二、三塁から3番田中の左前適時打で勝ち越しに成功する。だが逆に門真西は強攻策を選択。3番宮国の右前適時打で同点に追いつく。サヨナラのチャンスを迎えたが、あと1本が出ず、無得点。
延長14回表には再び犠打で二、三塁からバッテリーミスで勝ち越しに成功。なおも5番西本の適時三塁打で10対8と突き放した。さらに敵失で11対8と貴重な追加点を入れた。
この3点で豊中は勝利に大きく前進したが、だが、門真西もベンチの中で「3点差ならば還せるよ！」と全く諦める雰囲気はなかった。負けじと、反撃。まずバッテリーミスで無死二、三塁にすると、7番惣島の犠飛で1点を返し、8番久保の適時打、9番永原が四球で歩き、一死満塁から1番細川の適時打で再び同点に追いつく。なおも一死満塁。3番宮園が放った打球は犠飛となり、サヨナラ勝ち。
門真西がサヨナラ勝ちで、2回戦進出を決めたのであった。江籠監督は、「豊中さんは本当に手ごわいチームでしたが、よくやってくれました」と選手たちをたたえた。主将の寺内は、「部員12人しかいないですけど、少ないからこそ、チームが結束することができましたし、部員が多いチームには負けたくない。そんな思いが、点差が離れても取り返せるチームになったと思います」と語る。
そんな門真西ナインが目指すのはベスト32だ。非常に結束力の高さがあり、さらに劣勢に立たされても諦めない粘り強さがあるチームだ。この姿勢の強さを失わない限り、門真西は、近い将来、実力校に育つ可能性を秘めている。
（写真＝河嶋 宗一）
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