北野vs堺東
昨秋大阪大会ベスト8まで勝ち進んだ北野。緊張がかかる初戦はいきなり実力校の堺東と対戦。小山内監督は、堺東を見て、「スイングの鋭さ、打球の速さでしたら、堺東さんが上。しかも初戦を取って、勢いに乗っている。いかにうちが先手を仕掛けて試合の主導権を握るかがポイントでした」と語るように1回表、先制攻撃を仕掛ける。
1番で主将の大山の死球で出塁すると、犠打で送り、3番牧野の安打で一死一、三塁のチャンスを作ると、二死満塁から6番伊藤の適時打で幸先よく2点を先制する。北野の先発は最速138キロを誇る左腕・牧野 斗威。「フォームがバラバラで、コントロールが不安定だった」と語るように、1回裏、四球を出してピンチを招き、二死三塁から味方の失策で1点を許す。ここから牧野は「三振どうこうよりも、とにかく打たせて取ろうと思いました。コントロールがアバウトでも、相手打者の的を絞らせず、また走者を出せば、そこでしっかりとギアを入れて、抑えようと思いました」
堺東は牧野のペースにさせまいと、走者を出してからは盗塁を仕掛けるなどをしてチャンスを作ったが、それでも、牧野は冷静になって常時120キロ後半の速球と決め球である縦スライダーのコンビネーションでしのぐ。
ピンチを抑えるエースを打線が援護。3回表には5番澤の適時打、6番伊藤の犠飛、4回表には連続押し出しで2点を追加。6回表には、4番神田の適時打、6番伊藤の犠飛で8対1。7回表には一死満塁から4番神田の中犠飛で1点を追加。9対1に。さらに満塁のチャンスから6番伊藤の2点適時打で11対1と10点差と点差を広げた。伊藤は公式戦初先発初出場の選手で、いきなり6打点。「これ以上ない内容です」と笑顔を見せた。
7回裏、堺東の荒川が打った瞬間、本塁打と分かる豪快な当たりで、1点を返したが、反撃はここまで。11対2で北野がコールド発進した。
小山内監督は「最初、先制点をとれたことで、このような点差となりましたが、堺東さんの打撃がよく、もっと点を取られていてもおかしくなかったと思います」と制球力がやや不安定ながらも1失点に抑えた牧野の投球を評価。牧野は次の試合へ向けて、「まだフォームがバラバラ。今日は左腕が必要以上に遅れて出てしまって、良いタイミングで腕を振ることができなかったので、しっかりと修正して臨みたい」と修正ポイントを挙げた。
今春の目標は近畿大会出場。大事な初戦を取った北野が今後、どんな戦いを見せていくのか注目だ。
（写真＝河嶋 宗一）
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