「写メ」、数年後には死語に? 10代と20〜30代の利用率に差
今や当たり前になっている携帯電話内蔵カメラだが、その始まりは2000年に遡る。シャープ製の携帯電話「J-SH04」に搭載され、「写メール」と銘打たれたJ-フォンのキャンペーンで大ヒット。それ以降の携帯電話にはほぼ標準装備されるようになった。結果、携帯電話で撮影し、それをメールで送るという行為は一般的になり、いつしか携帯電話で撮影した画像は「写メ」と呼ばれるようになった。
だが、聞くところによると、この「写メ」はスマートフォンとLINEの普及以降、死語となりつつあるという。
そこで、Jタウン研究所は「『写メ』って言う?言わない?」をテーマに世代別のアンケート調査を実施した(総得票数1176、2017年2月7日〜3月21日)。果たして、その結果は――。
写メ派の中核は20代と30代
まずは、「写メは死語」という噂の発祥元である10代の結果から見ていこう。そもそもメール自体が廃れつつある世代であり、携帯電話で撮影した画像=インスタと呼ぶという説もある。それはサービス名ではないだろうか......。
60.6%の人が「言う」に投票しているため、一応は過半数を取ることができた。しかし、「言わない」勢力の盛り上がりも怖い。数年後にアンケートを取り直したとしたら、力関係は大きく変化しているかもしれない。
10代は「言う」60.6%、「言わない」39.4%
続いて20代だ。ガラケーとスマートフォン両方にじっくりと触れたことのあるのはこの世代からになる。それだけに、「言う」率は72.6%と高い。同様の境遇を経験している30代も似たような分布になっている。これ以降の世代と比べても「言う」の得票率が高いため、写メ文化を最も利用した世代であるかもしれない。
20代は「言う」72.6%、「言わない」27.4%。30代は「言う」73.9%、「言わない」26.1%
しかし、それ以降は年代が上がるにつれて、徐々に「言う」率が減少していく傾向にあった。
「写メ」が歴史に登場してから今年で17年だ。40代以上というくくりだと、言葉として定着するほど積極的に利用した割合も低いのかもしれない。とはいえ、「言う」率はいずれも過半数を維持している。
40代は「言う」60.6%、「言わない」39.3%。50代は「言う」57%、「言わない」43%。60代は「言う」55%、「言わない」45%。
ガラケー時代を知っている世代の記者にとって、「携帯電話で撮影した写真=写メ」という認識は強い。
しかしながら「メールで送らないのに写メと呼ぶのもおかしいのではないか?」という思いも抱えていた。代わりの名称は思い浮かばないが......。
だが、こうした結果を見る限りだと、まだまだ「写メ」派は多数を占めている。とはいえ、写真をメールで送る機会が激減している以上、徐々に「写メ」派は減少していくだろう。
その時に「いや、これは写メだよ、そのほかの言い方はちょっと受け付けないね」と意地を張らず、柔軟に受け入れていきたい。(でも「インスタ」はおかしいと思う)