横綱・白鵬が語った「これからの大相撲」あと3年、あと17場所

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「目標、夢はたくさんあるけど、そのひとつが“あと3年”。東京オリンピックまでは現役でいたい」

新横綱・稀勢の里ブームで沸く大相撲。だが、長らく相撲界を牽引してきたのは、今年で横綱在位10年を数える白鵬なのは間違いない。

そんな大横綱が語った「現役あと3年」宣言。9日、都内スタジオで行われた自身の密着ドキュメンタリー番組「白鵬レガシー計画(プロジェクト)」(2月26日午後4時〜※TBS関東ローカル)のナレーション収録後の一幕だ。


「これからの力士は幸せだと思うな」


2012年に始まり、年1回のペースで放送されている白鵬密着ドキュメントの第6弾。今回は、史上3人目となる「通算1000勝」の大記録を目指して戦った舞台裏、横綱になって初めて体にメスを入れた怪我との戦いなど、「白鵬この1年」を振り返ることができる相撲ファン必見の番組だ。そして毎回、白鵬自身がナレーションを行うことでも知られている。

「今回は(読む量が)少なかったね(笑)。次回はもっと読みたいな」と軽口をたたきつつ、「見て聞いて、だけじゃなく、自ら行うことを人生で心がけている。文章が短いか長いかは関係ない。自分の思いを伝えられるかどうか。そこを感じていただきたい」と続けた。

今回の番組では、白鵬の土俵での戦い以外にも焦点が当てられているのが特徴だ。テーマは、番組タイトルにもある「レガシー」。未来の横綱を目指す子どもたちに「レガシー(遺産)」を残すため、白鵬自身が率先して取り組むさまざまな活動を追いかけている。

たとえば、自身の相撲を後世に残すため、自らの取り組みをバーチャル映像化。体の動きなどを360度、あらゆる角度から確認できる映像ツール作成に取り組んでいる。



この360度バーチャル映像の制作は、自らの研究心がキッカケで始めたもの。白鵬自身、往年の名力士たちの相撲を文献や写真で調べ、研究を重ねてきたというが、2次元の情報にはやはり限界がある。写真では見えない部分でどんな体の使い方をしているのか? 相撲をより深く理解するために映像として残したいと考えたという。

「相撲は一瞬の世界。よく、勝った力士が「真っ白だった」って言うじゃないですか。でも、その相撲のどこが良かったのか? どこに仕組みがあるのか?360度あらゆる角度から見ることで自分でも気づくものがあった。これからの力士は幸せだと思うな。本来は、親方や先輩に教えてもらって、自分で磨かないといけないけど、これからは映像を見ながら勉強できる。レガシーっていうか、いいもの残したなって思う」

「稀勢の里関にも宿命があった、ということ」


さて、来月には春場所も控える白鵬。気になるのはやはり、新横綱・稀勢の里との今後のライバル関係だ。

白鵬と稀勢の里、といえば、「強い人が大関になり、宿命を持った人が横綱になる」という白鵬名言で、二人の格の違いを語った逸話が有名だ。だが、遂に横綱へと登りつめた稀勢の里に、先輩横綱は今、何を思うのだろうか?

「稀勢の里関にも宿命があった、ということ。時間の問題だった。もともと、昔の番付では横綱という地位はなく、大関が最高位だった。その地位を5年も立派に務め上げた人物。横綱になっても頑張ってもらえれば、自分も燃えることができる」

そして、冒頭の「あと3年」にもリンクする。

「あと3年と考えると、あと17場所。あと17回しか対戦できないかもしれない。その中で、五分で戦っていきたいな」

五分でいい、とはなんとも控えめだが、それは余裕の表れなのかもしれない。番組内でも、新横綱・稀勢の里への思いを明かしているという白鵬。春場所への期待をさらに高めるためにも、「白鵬レガシー計画(プロジェクト)」は要チェックだ。

◆「白鵬レガシー計画(プロジェクト)」
2月26日午後4時〜※TBS関東ローカル(3月4日午後1時〜※BS-TBSで再放送)
(オグマナオト)