8日に行われたヨーロッパリーグ・グループステージ最終節のアストラ対ローマの一戦で、敵地ルーマニアに駆けつけたローマサポーターの振る舞いが非難されている。悲劇に見舞われたシャペコエンセを追悼する試合前の黙とうで、宿敵ラツィオを罵倒するチャントを歌ったからだ。

コロンビアで墜落した飛行機事故で多数のチーム関係者を失ったシャペコエンセには、世界的にサッカー界から追悼の意が示されている。8日の試合でも、いまだ悲しみにくれる犠牲者とその遺族への追悼、そしてシャペコエンセへの連帯を示すために、1分間の黙とうが行われた。

だが、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』や『コッリエレ・デッロ・スポルト』によると、その黙とう中に約500名のローマサポーターが事故と無縁のラツィオへの罵倒を始めたという。地元のアストラファンは当然のように不快感を表し、ブーイングを浴びせたそうだ。




それだけではない。『ガゼッタ』によると、ローマサポーターは試合が始まると、横断幕をスタンドの別の場所に移動させようと試み、スチュワードと衝突。乱闘騒ぎを起こしてしまう。現地警察も介入する騒動となってしまった。『ガゼッタ』は「国際的な恥」と自国民の蛮行を嘆いている。

一方で、その騒ぎの中で、アストラのファンも問題行動を起こしていたようだ。グラウンドレベルに侵入したサポーターが、ローマの横断幕の一つを奪って逃走を図ったのである。だが、このファンもスチュワードに取り押さえられ、横断幕はカメラマンの手によってローマサポーターに返されたとのこと。トルコメディアが伝えた映像でその様子が確認できる(横断幕を取った場面は画面右下)。


いずれにしても、世界各地で良識あるサッカーファンがシャペコエンセの悲劇に心を痛めているなかで、問題行動を起こすサポーターにはメディアやユーザーから非難の声が浴びせられている。