ミランの親会社フィニンヴェストが7日、クラブ売却の取引完了(クロージング)の期限延期を発表した。3月まで約3カ月の延期だ。これを受け、1月のミランの移籍市場での動きが注目される。

オーナーのシルヴィオ・ベルルスコーニは今年8月、中国コンソーシアムと5億2000万ユーロ(約637円)でクラブを売却すると合意。新たに設立された「Sino Europe Sports(SES)」と契約し、手付金の1億ユーロ(約122億5000万円)を受け取った。

だが、残りの4億2000万ユーロ(約514億4000万円)を支払うクロージングはまだ実現していない。SES側は、中国政府からの資本の国外移転許可を得るのに時間が必要としている。直近では13日までにクロージングが行われる予定だったが、これも難しくなってしまった。

そこで、ベルルスコーニは最近、クロージングの延期を受け入れると明かしていた。その際に「1カ月か長くても1カ月半」と話していたが、フィニンヴェストとSESは今回、新たにクロージング期限を3月3日まで延期することで合意した。

ただし、SESは12月12日までに新たな手付金1億ユーロを支払わなければならない。


いずれにしても、ミランの身売りは再び延期となった。ここで注目されるのが、1月のマーケットだ。

ベルルスコーニはSESに対し、身売り完了後にチーム補強のための投資を行うように求め、合意している。そのため、手付金はフィニンヴェストに支払われるものであり、ミランの補強には使われない。補強資金を得るには、クロージングを完了させる必要がある。

そのクロージングが延期となったことで、ミランは1月の補強に「チャイナマネー」を期待できなくなった。だが、今季のミランは現在2位タイと好調。冬の補強で戦力をアップさせ、さらに飛躍することを期待する声は少なくない。

イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』は、ベルルスコーニがチャイナマネーに頼らず投資し、補強に動く可能性はあると報じている。だが問題は、ベルルスコーニの右腕であるアドリアーノ・ガッリアーニCEOが認めているように、将来的なオーナーとなる中国サイドの意向もくまなければいけないという点だ。スピードも求められる補強活動においては致命的とも言える。

1月のミランは出場機会がない本田圭佑の去就も注目されている。不透明な状況が続くなか、背番号10にはどのような運命が待っているのだろうか。