4日に行われたセリエA第15節、ラツィオ対ローマのローマダービーは、2-0でアウェーのローマが勝利した。試合前から互いを挑発する行為がみられていただけに、やはりトラブルが起きてしまったようだ。

試合は64分にケヴィン・ストロートマンのゴールでローマが先制。77分にラジャ・ナインゴランが追加点を挙げ、2位ローマが4位ラツィオを下した。

まずトラブルが起きたのは、ストロートマンが先制点を決めたあとだ。得点を記録したローマの背番号6は、タッチライン際でラツィオベンチにいたダニーロ・カタルディの方へ水をかける。これに怒ったカタルディが後ろからストロートマンを引っ張ったことで、両軍が入り乱れることになった。




この一連の行為に対し、審判団はカタルディにレッドカード、ストロートマンにイエローカードを出した。ラツィオ側の不満は言うまでもない。加えてダービーという熱戦で敗れたこともあってか、試合後にはラツィオのセナド・ルリッチがローマDFアントニオ・リュディガーをこう批判した。

「彼は試合の前からおしゃべりをしていた。2年前にはシュトゥットガルトで靴下やベルトを売っていたくせに、今じゃ大物ぶってやがる」


「彼のせいじゃない。周りにいる人間や、無礼な男に育てた人間のせいだ。こういった挑発は放っておこう。今後もそういうことはあるだろうさ。今日は負けた。でも、僕らは前を見る。成長し、こういうミスをなくさないようにしなければいけない」

イタリアメディアによると、ルリッチはその後、ミックスゾーンでの取材でリュディガーへの発言について問われると謝罪を否定。「僕ら白人だって、誰だって、靴下は売るものだ」と人種差別の意図はなかったと釈明している。

これに対し、ラツィオは同日、広報部長の発言としてクラブの声明を発表。「ルリッチのコメントは一線を越えていた」として「クラブとルリッチを代表して謝罪」した。ただし、「リュディガーの戦前のコメントに端を発する」ともつけ加えている。

リュディガーは試合前、『テンポ』のインタビューで「ラツィオや彼らの監督のことなんか知らない」と挑発するようなコメントを残していた。これに対して「僕らはお前のことなんか知らない」と返していたカタルディが退場になったことからも、ラツィオ側がナーバスになっていたことは確かだろう。