4日、テレビ朝日「報道ステーション」では「吉田沙保里 33歳で挑む偉業 4連覇へかつてない"本音"」と題し、リオデジャネイロ五輪レスリング女子53キロ級に出場する吉田にスポーツキャスター・松岡修造氏が行ったインタビューの模様を放送した。

試合に向け愛知県の至学館で練習を行う吉田は、選手最年長ながらも率先して声を出す。その姿を見た松岡氏が「元気過ぎません?」と尋ねると、「楽しく元気に頑張らないと。やっぱりきつい練習なので乗り越えられない。段々入り込み過ぎたり暗くなったりっていうのが、自分は合わない」と話すと、30歳を過ぎて臨む初の五輪にも「ちょこちょこ小さいケガが増えたなっていうのはあります。疲れやすくなったっていうのはあるんですけど、それは30歳超えて当たり前って思って」と意に介さず。

それでも近年はかつて見せていた圧倒的な勝利からすれば、相手に攻め込まれる場面も増えてきた。松岡氏から「今の雰囲気は“チャンスあるかも”って(対戦相手に思われる)」と指摘されると、吉田本人も「感じますね」とポツリ。「絶対的な自信っていうのはハッキリ言いますけどないですね」と続けると、「怖さはあります。負けたらどうしようとか」などと不安を漏らした。

また、2014年3月には最愛の父・栄勝さんを亡くし、悲しみのどん底に突き落とされた吉田。父の話になると、「すごい厳しかったからこそ、ここまで来れた」と改めて感謝し、自身のタックルが研究され始めている点について訊かれると、「タックルだけしかなかったらバレちゃいますけど、タックルから投げ。自分はバリエーションを沢山持ってる。引き出しは一杯ある。それは父に教えてもらった」と徐々に自信を口にするように――。

そんな亡き父・栄勝さんの話を続けた吉田は、「一番近くで天国から見てくれていると思うので、4連覇を絶対して父に喜んで貰えるように」と意気込むと、その最後には、さっきまで口にしていた不安がウソのように「父が逆にパワーをくれている。一緒に戦えると思っています。今まではセコンド。マットの外にいましたけど一緒にマットに上がっている気がする。だから2倍の力が出る。なので負ける気がしない」と力強く語った。