本田圭佑が所属するミランが28日、ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督の就任を発表した。元日本代表の中田英寿氏のローマ時代のチームメートだったモンテッラ氏が、本田を指導する立場となり、隔世の感を禁じ得ないという人も少なくないだろう。

もちろん、モンテッラ監督の本田の起用法が気になる新シーズンだが、古くからのイタリアサッカーファンはセリエBにも注目だ。中田氏やモンテッラ監督が活躍し、「カルチョ全盛期」と言われた時代の懐かしい面々が、セリエBのチームを率いるのである。

例えば、モンテッラ監督同様に中田氏の元同僚だったのが、ペルージャを率いるクリスティアン・ブッキ監督(39)。ペルージャで中田氏とチームメートだった元ストライカーだ。

ペルージャといえば、セルセ・コズミ監督を思い起こす人も少なくないだろう。キャップがトレードマークの情熱的な指揮官は、新シーズンもトラパニを率いる。昇格プレーオフ決勝で敗れ、涙を見せた熱血監督は、今度こそセリエA昇格を果たせるだろうか。

同じく情熱的な監督として見逃せないのが、ピサのジェンナーロ・ガットゥーゾ監督だ。3部ピサを7年ぶりに2部へと昇格させた同監督は、会長との確執から退任する可能性もあったが、最終的には留任が決定。2年連続の昇格でセリエAの舞台に復帰することも?

ミランの元選手で新シーズンのセリエBに挑むのは、ガットゥーゾ監督だけではない。クリスティアン・パヌッチ監督もその一人だ。リヴォルノでは成績不振でシーズン中に2度解任されるという憂き目に遭ったが、テルナーナとの合意が報じられている。同じセリエBの舞台でリベンジなるか。

クリスティアン・ブロッキ監督も、元ミラン選手で新シーズンのセリエBを戦う指揮官の一人。ドタバタ劇の末にミランの監督となったが、初のトップチーム挑戦で苦しんだのは記憶に新しい。ブロッキ監督はまもなくブレッシァ監督就任が正式発表される見込み。2部で新たな挑戦に挑む。

クラブ事情でユースからトップチームに昇格したものの、続投に至らず、2部からリスタート…ブロッキ監督と同じ経緯でセリエBにたどり着いたのが、ラツィオを去ったシモーネ・インザーギ監督だ。来季はサレルニターナを率いる見通し。3部ヴェネツィアを選んだ兄のフィリッポ・インザーギ監督とともに再起を図る。

ほかにも、30代や40代前半の若い指導者では、バーリのロベルト・ステッローネ監督やエラス・ヴェローナのファビオ・ペッキア監督らが注目だ。

衰退著しいとも言われるイタリアサッカーだが、綿密に戦術を研究するお国柄とあり、指揮官の質の高さは折り紙つき。現在もイタリア代表のアントニオ・コンテ監督が、EURO2016ラウンド16で王者スペインを下し、改めて評価を高めている。

そんなイタリアの下部リーグで、指導者としても名を馳せようと奮闘するかつてのビッグネームたちをチェック…それもまた一興ではないだろうか。