バルセロナに所属するアルゼンチン代表FWリオネル・メッシに、母国の英雄からまさかの一言だ。ディエゴ・マラドーナが、「メッシにはリーダーになる気質がない」と述べたのである。

マラドーナは9日、パリでのイベントで「サッカーの王様」ペレと同席した。そのイベントの最中、マイクが入っていることを知ってか知らずか、ペレからの質問に答える形でマラドーナはメッシを批判してしまったのだ。

ペレ:「ディエゴ、君は人としてのメッシを知っているだろう。良いヤツなのか?」

マラドーナ:「ああ、良いヤツだよ。でも、パーソナリティーがない。リーダーになるだけのパーソナリティーがないんだ」

ペレ:「ああ、我々の時代はたくさんいたけどね」

マラドーナ:「そのとおり。そういう選手がたくさんいた」

ペレ:「我々のときはそういう選手がたくさんいた。例えば1970年代の我々にはリベリーノやジェルソン、トスタン、ジャイルジーニョがいたね。メッシのアルゼンチンは…君はメッシが良い選手だと言う。それは疑いない。でも、パーソナリティーがないんだね」

バロンドールを通算5回受賞し、「歴代最高の選手」との呼び声も高いメッシだが、アルゼンチン代表ではタイトルに縁がない。2008年の北京オリンピックで金メダルを獲得しているが、フル代表ではこれまで無冠だ。マラドーナが監督を務めた2010年のワールドカップでもベスト8に終わった。

そのとき指導を受けた母国の英雄からの批判は、メッシにとって予想外だったかもしれない。


「足りないのは代表でのタイトルだけ」。そんな声を吹き飛ばしたいメッシは現在、コパ・アメリカ・センテナリオに臨んでいる。初戦は負傷で欠場したが、第2戦は復帰するとも言われているところだ。初戦で王者チリに2-1と勝利したアルゼンチンは、10日にパナマとの第2戦に臨む。