フジテレビ「村上信五とスポーツの神様たち」(8日深夜放送分)では、「寝不足でも見たくなる!実はおもしろいオリンピック競技」と題し、2000年のシドニー五輪に出場したトランポリン・中田大輔氏がゲスト出演。競技の魅力を語った一方、選手の過酷な実情も明かした。

異なる宙返りを10回連続で行い、美しさや高さ、難易度を競うトランポリンについて、中田氏は「オリンピック全種目の中でも一番出るのが難しい」と切り出すや、「全世界で男子16名、女子16名しか出れない(1カ国最大は2名)」とその理由を説明した。

また、体重60キロの世界トップ選手で7〜8メートルは跳ぶとされるトランポリンは、その分、体にかかる衝撃も強い。「ビルの3階にヒョイっと入れちゃう高さ。その高さからもう1回トランポリンに戻ってきて踏み込んで、その時に瞬間的に体にかかるのが15Gっていわれています。つまり1トン。それを競技の時は宙返りをしてさらに加速がついている中で10回繰り返す。相当な筋力と体力とバランス」と語ると、「トランポリンは究極の体幹トレーニング」とも。

その一方、「世界選手権とか行くとシルク・ドゥ・ソレイユのスカウトマンが目を光らせている」という中田氏は、「ほとんどの演目の一番最後がトランポリンなんです。一番盛り上がるのでシルク・ドゥ・ソレイユもトランポリン選手をすごい欲しがっている。僕も何度もスカウトされています。10年以上、今も」と明かす(受けない理由は「日本に居たい」から)。

そんな中田氏の全盛時代はアルバイトをしながらの競技生活だったという。「今でこそトランポリン選手、遠征費とか出ているんですけど、僕が代表で出るようになった頃は全部自費で朝から夕方までバイトして、それが終わったら20分か1時間練習して、また夜は8時から朝8時までガソリンスタンドに勤務して。2日に1回しか寝れないっていうのを4年やりました」と苦笑いを浮かべると、「オリンピックの後ですよ。実は牛丼屋でバイトしていました」とぶっちゃけた。