山口組抗争は新時代に!ヤクザが撮って流す「スマホ」カチコミ映像
(3月17日、彼岸の墓参をおこなった六代目山口組司忍組長)
「先ほど、大阪の○○組に車が突っ込んできました」
「栃木の事務所が金属バットで襲撃されました。今30人ぐらいが集まっています。返しでしょうか」
山口組と神戸山口組双方が関係しているとみられる抗争事件が、全国で続発している。本誌が確認できたものだけで、3月は30件近くにも及ぶ。車による事務所の破壊、拳銃発砲、火炎瓶投げ入れなど、抗争は激化している。
共有されている情報のなかには「○○が刺されて病院に行った」というもの、さらには「宅急便でクソが送られてきた」というものもあった。
それがネット上に流出する場合も多い。ヤクザ界に詳しいジャーナリストはこう話す。
「2月に歌舞伎町襲撃事件の現場映像がネット上に流れ、逮捕者も出た。それが発端となって、山口組、神戸山口組双方ともネットを利用した情報戦に鎬(しのぎ)を削っている。不特定多数に、自分たちの力を誇示したり、相手の非道さを伝える狙いがある」
もっともこうした抗争状態を冷ややかな目で見るヤクザもいる。都内の山口組系のヤクザは言う。
「山口組と神戸山口組以外の組織からは『抗争事件といっても、トラックで突っ込んだり、壁に発砲するだけでは子供の遊びみたいなもの』といわれている。だが、俺らもシノギをしなければならないので、これ以上過激なことはできないのが現状だ」
前出のジャーナリストはこう語る。
「神戸山口組の主力団体である山健組からは、音を出すな(拳銃を使用するな)、光り物(刃物)を使うなという指令が出ている。相手を死に至らしめるようなことをやれば、上部の組織にも波及する。これ以上はヤバいと双方が考えている。本格的な抗争とはいえないが、これが限界だと思う」
抗争状態が長引いて、現場のヤクザには疲弊する者も現われている。30年以上現役のヤクザはこう吐露する。
「今はヤクザではメシが食えなくなってきている。抗争といっても、こんな状態だと情けないだけだ。以前はイケイケでやっていたけど、今の時代はたいしたこともできないので、やる気が失せてきた。もう足を洗おうと考えている。
ただ、ヤクザをやめた仲間は、覚醒剤を扱ったり、詐欺をやったりして、まともな仕事につけていない。俺はちゃんとした仕事を探したいと思う」
警察は、山口組と神戸山口組に対し「特定抗争指定暴力団」も視野に入れている。指定された場合、事務所使用を制限されるなど壊滅的な影響が出る。音なき抗争の果てにあるのは、双方の破滅だけだ。
(週刊FLASH 2016年4月12日号)