「5時から9時まで」今夜最終回。石原さとみ×山下智久「こうなったら本当に駆け落ちしましょう」
「みなさん発表があります。私、仕事を辞めました。つきましては寺の嫁になります!」
NYよりも高嶺(山下智久)との結婚を選んだ潤子(石原さとみ)。しかし幸せな結婚とはいかず、笑顔が消えた「5時から9時まで」9話。
女の戦いを前に、高嶺は少し無力だった。
塩をまかれても、何度も高嶺の祖母ひばり(加賀まりこ)の元へ通い積めて土下座までする潤子。不適な笑みを浮かべたひばりから修行が許されたが、本堂の掃除に食事の準備、風呂炊き…ハードな修行がスタート。
最初に根を上げたのは高嶺だった。
「こうなったら本当に駆け落ちしましょう。ここにいたらあなたの笑顔がなくなってしまいます。私はあなたを幸せにしたくて結婚するんです。大切な人を苦しめるくらいなら私は……。」
優しさにあふれる高嶺らしい言葉だけど、ここで逃げたら意味がない。
しかも高嶺が潤子を庇うほど、ひばりの悪態は加速する。
「あなたとは生きてきた世界が違う」
「わたくしはあなたが嫌いです」
いじわるな笑顔に辛辣な言葉。仏様の前で酷すぎやしませんかね……。
ついに潤子の疲労もピーク。笑顔が消えた。
それでも高嶺に住職になって欲しいと願う潤子は強かった。
檀家を招いた会合で、読経を任された高嶺。潤子もその晴れ舞台を手伝わせてくれと申し出た。慣れない着物を着て、畳の大広間で給仕の仕事。しかし手を滑らせて檀家の着物に料理をぶちまけた。
一番やってはいけない場面でやってしまった……。慣れてないから仕方ないなんて言い訳も一切通用しない。
読経を捨てて潤子の元へ駆けつけた高嶺が優しい。
「もういいですから星川さん、早く戻らないと。大切な読経あるでしょ…」
「あなたより大切なものはありません」
足手まといになりたくないと泣く潤子を抱きしめる。
「足手まといなものですか。あなたが教えてくれたんです。人を愛するとどのような心地になるのかも、家族や周りの人にやさしくすることがどれほど大切なものかも、愛する人と一緒に生活する楽しさも。だから私は……。」
「元凶はこの一橋寺だ。ここをぶっつぶしてやる」
寺を取り壊す工事業者を引き連れて、天音の逆襲がはじまった。
「兄さん、新しい家族でもできたつもり?潤子さんが兄さんのせいで自分の夢を諦めたことなんて全部なかったことにしてさ、いいよなー自分は。寺を継ぐ夢も、欲しかった女も手に入れてさ。でも潤子さんはどうかな?」
天音はこっそり桜庭家を訪問して潤子の情報を仕入れていた。何をしても敵わない兄の弱点は潤子だ。そうきたか。
「兄さんのわがままが潤子さんの人生狂わせたなんて、兄さん思いもしないんだ。俺のことだってそうだよ。そこのばばあが兄さんばっかり可愛がって、俺のことは京都の寺に捨てやがって」
つっぱっていた天音が、別人のようにぼろぼろと涙をこぼす。
「誰か一回でも俺に会いに来たのかよ?弟を見捨てといて何が家族だよ」
ひばりも高嶺も住職も、何も言えなかった。
高嶺には亡き両親との思い出が詰まった寺でも、天音にとっては地獄のような日々を過ごした場所。壊そうとする理由が根深くて切ない。
夕暮れ前の公園で、珍しく待ち合わせした潤子と高嶺。
「潤子さん私はあなたに心から失望しました。あなたは寺の嫁にふさわしくありません」
「近々香織さんと結婚いたします」
「私は潤子さんが嫌いです。もう二度と会う事もないでしょう」
何を考えたのか、高嶺の態度が一変した。笑ってない目が怖い。でも涙をこらえているようにも見える。それ……本心じゃないよね?高嶺さん。
いよいよ今夜が最終回。
(柚月裕実)
NYよりも高嶺(山下智久)との結婚を選んだ潤子(石原さとみ)。しかし幸せな結婚とはいかず、笑顔が消えた「5時から9時まで」9話。
一度決めたら突き進む潤子 VS 絶対に許さない祖母ひばり
女の戦いを前に、高嶺は少し無力だった。
塩をまかれても、何度も高嶺の祖母ひばり(加賀まりこ)の元へ通い積めて土下座までする潤子。不適な笑みを浮かべたひばりから修行が許されたが、本堂の掃除に食事の準備、風呂炊き…ハードな修行がスタート。
「こうなったら本当に駆け落ちしましょう。ここにいたらあなたの笑顔がなくなってしまいます。私はあなたを幸せにしたくて結婚するんです。大切な人を苦しめるくらいなら私は……。」
優しさにあふれる高嶺らしい言葉だけど、ここで逃げたら意味がない。
しかも高嶺が潤子を庇うほど、ひばりの悪態は加速する。
「あなたとは生きてきた世界が違う」
「わたくしはあなたが嫌いです」
いじわるな笑顔に辛辣な言葉。仏様の前で酷すぎやしませんかね……。
ついに潤子の疲労もピーク。笑顔が消えた。
それでも高嶺に住職になって欲しいと願う潤子は強かった。
檀家を招いた会合で、読経を任された高嶺。潤子もその晴れ舞台を手伝わせてくれと申し出た。慣れない着物を着て、畳の大広間で給仕の仕事。しかし手を滑らせて檀家の着物に料理をぶちまけた。
一番やってはいけない場面でやってしまった……。慣れてないから仕方ないなんて言い訳も一切通用しない。
読経を捨てて潤子の元へ駆けつけた高嶺が優しい。
「もういいですから星川さん、早く戻らないと。大切な読経あるでしょ…」
「あなたより大切なものはありません」
足手まといになりたくないと泣く潤子を抱きしめる。
「足手まといなものですか。あなたが教えてくれたんです。人を愛するとどのような心地になるのかも、家族や周りの人にやさしくすることがどれほど大切なものかも、愛する人と一緒に生活する楽しさも。だから私は……。」
誰も気がつかなかった天音の胸の内
「元凶はこの一橋寺だ。ここをぶっつぶしてやる」
寺を取り壊す工事業者を引き連れて、天音の逆襲がはじまった。
「兄さん、新しい家族でもできたつもり?潤子さんが兄さんのせいで自分の夢を諦めたことなんて全部なかったことにしてさ、いいよなー自分は。寺を継ぐ夢も、欲しかった女も手に入れてさ。でも潤子さんはどうかな?」
天音はこっそり桜庭家を訪問して潤子の情報を仕入れていた。何をしても敵わない兄の弱点は潤子だ。そうきたか。
「兄さんのわがままが潤子さんの人生狂わせたなんて、兄さん思いもしないんだ。俺のことだってそうだよ。そこのばばあが兄さんばっかり可愛がって、俺のことは京都の寺に捨てやがって」
つっぱっていた天音が、別人のようにぼろぼろと涙をこぼす。
「誰か一回でも俺に会いに来たのかよ?弟を見捨てといて何が家族だよ」
ひばりも高嶺も住職も、何も言えなかった。
高嶺には亡き両親との思い出が詰まった寺でも、天音にとっては地獄のような日々を過ごした場所。壊そうとする理由が根深くて切ない。
夕暮れ前の公園で、珍しく待ち合わせした潤子と高嶺。
「潤子さん私はあなたに心から失望しました。あなたは寺の嫁にふさわしくありません」
「近々香織さんと結婚いたします」
「私は潤子さんが嫌いです。もう二度と会う事もないでしょう」
何を考えたのか、高嶺の態度が一変した。笑ってない目が怖い。でも涙をこらえているようにも見える。それ……本心じゃないよね?高嶺さん。
いよいよ今夜が最終回。
(柚月裕実)