攻撃の引き出しが増えた徳之島が勝利!

 徳之島といえば、18盗塁を決めた昨夏3回戦の川辺戦のような「足攻」が持ち味だが、この日決めた盗塁は5イニングで5個。これでも十分な数だが、序盤の勝負の流れを決定付ける局面では、犠打に適時打とオーソドックスな攻めが目立った。それだけ攻撃の引き出しが増えていることを印象付けた今年の初戦だった。

 足を使わなかった理由は至ってシンプル。初回、2回で4四球と定まらなかった相手投手の制球を徳之島打線がしっかり見極める。2回は先頭の9番・作元 優介(3年)が左安打で出塁し、連続四球で満塁として、3番・新田 雄斗(3年)が左安打を放って2点を加えた。更に一死二、三塁の場面では、これまでなら重盗を仕掛けてもおかしくないところで犠打。続くチャンスで6番・松山 大祐(2年)が左安打を放ち、更に2点を加えている。足だけじゃなく、打っても点が取れることを証明したこの試合。

 目立たないようで「足攻」もしっかり使っている。3回一死一二塁の場面では、二走・政田 武蔵(3年)がスタートを切り、2番・喜多川 大地(3年)は送りバント。政田のスタートで相手守備の敵失を誘い得点に繋げた。5回は3四死球と犠牲飛で、決勝点を奪った。8安打で10得点と効率の良い攻めが際立った。

(文=政 純一郎)

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