キス→結婚→子供…恐ろしきは田舎の情報伝達「まれ」43話
朝ドラ「まれ」(NHK 月〜土朝8時〜)5月18日(月)第43話より。
傾向として、月曜日はまったりしています。
横浜編の2週目、全体としては8週目の「危機的クリスマスケーキ」のはじまりは、希(土屋太鳳)が、池畑大悟(小日向文世)の息子・大輔(柳楽優弥)にキスされて大騒ぎしつつ、1ヶ月の研修がはじまってドジをしまくります。
下働きばかりのうえに失敗ばかりして落ち込んでしまう希でしたが、圭太(山崎賢人/崎の大は立)もずいぶん長いこと漆を塗らしてもらえなかったことを
思い出して、自分を奮い立たせるのでした。
希がキスを体験したことは、高志(渡辺大知)がみのり(門脇麦)に電話で報告してしまい、それがたちまち能登の村中に広がりますが、伝言ゲームのように結婚、妊娠と話が大きくなってしまいました。
それにしても、電話でもしゃべらない高志にはびっくり。さらに、それでも言いたいことの意味をわかってしまうみのりにもびっくり。もはやSFの世界です。
43話で気になったのは、この高志とみのりの以心伝心のほか、やっぱり希の貞操問題です。
好きでもないひとにファーストキスを奪われた希の尋常ならざる拒否反応は、まるで貞操を奪われたくらいの勢い。不名誉な出来事をなかったことにしようと必死になるも決して消えない苦しみを、あくまでもコミカルに描いてはいたものの、例えば、これがキス以上だったら大事件なわけで。
希にとっては唇だって大事な貞操。なにしろ、甘いお菓子ばかり食べていた唇です。第7週でお菓子を美味しそうに食べる土屋太鳳の唇を強調して撮っていたことがキスシーンにつながっていたのかと思うと、にくいな。
ひとは美味しく甘いケーキだけでは生きていけなくて、もっとある種の心身の痛みを伴うことによって希の人間性が複雑なものに変わっていく。その現れとして朝ドラ的に許されるのはキスシーンくらいまでですよね、たぶん。
横浜編では希がこれまで能登と家族の光に包まれていた分、影部分が出てくるのかなと想像しています。希はかなり暢気に育っていて、貧乏もそれほど彼女に影を落としていませんし、いまのところ死や戦争、不可抗力による事故などにも遭っておらず、ドラマが登場人物に変化成長をもたらす通過儀礼のようなものが希には決定的に不足しています。希のなかにはいわゆる影部分が未だないのです。
だからこそ、中華料理店・天中殺が朝ドラの舞台にしてはディープな夜の世界ふうになっているのではないでしょうか。激辛中華も甘いケーキの逆ですし、夜、お酒を飲んで希にせまってきた大輔(翌日忘れてしまっている)も影部分担当要員なのでしょうか。
先輩パティシエ・陶子(柊子)のイジメもはじまりそうですし、希のこれからが気にかかります。
【勝手に、今日の名言】
「なまり子ちゃん」池畑大輔(柳楽優弥)
なまってる希をこう呼んだ。
(木俣冬)
タイトルバックに驚いた。NHK朝ドラ「まれ」1話をレビュー
お金がなくても生きていける「まれ」連続レビュー2話
朝ドラファンなら大泉洋と能年玲奈との共演作をチェックすべし「まれ」3話
ダメ男たちのドラマなのか「まれ」4話
いつも笑ってる家族が欲しかったら 自分でみんなを笑わせてみよう「まれ」5話
いよいよ土屋太鳳(本名)登場「まれ」6話
公務員の魅力をキラキラ語る土屋太鳳「まれ」7話
田中裕子の魔性について考えてみた「まれ」8話
「あまちゃん」との違いは時間の描き方なのかも「まれ」9話
本当の駄目人間とは「まれ」10話
こわくても夢をかなえたい「まれ」11話
地に足のついた「夢」を「まれ」12話
祭りん時の女の言葉をちゃ鵜呑みにしたら駄目やわ「まれ」13話
大泉洋の詩的な身体「まれ」14話
貧しいならではのお菓子作りを決意。名言炸裂「まれ」15話
いきなり見込みがあるかどうか聞いてくるようなやつには見込みなんかない「まれ」16話
常盤貴子演じる希のお母さんの驚愕の過去「まれ」17話
「聖者の行進」とは何の暗示か「まれ」18話
なあんもせんかったら怒られもせんけど仕事も覚えんわいや 「まれ」19話
大泉洋、門脇麦、田中泯、板尾創路…俳優たちの名言合戦「まれ」20話
やっぱり本当の家族が強いのか「まれ」21話
希家族、引っ越す「まれ」22話
ビジネスチャンスは規則の外にあるんだよ「まれ」23話
文さんクイズとは何だったのか「まれ」24話
タイトルに秘められた謎「まれ」25話
不吉な予感の「まれ」26話
国が悪いんげんよ「まれ」27話
「俺は漆にかぶれるんだ」板尾創路真骨頂「まれ」28話
金八の腐ったみかん、加藤登場に騒然「まれ」29話
漆もミルフィーユもレイヤー化する社会の象徴なのか「まれ」30話
フランスからおばあちゃん登場「まれ」31話
口ではなく手で「まれ」32話
卵は入れる前に常温に戻しておく「まれ」33話
夢と家族の大事さは比べられない、次元が違う「まれ」34話
妻が夫を駄目にする「まれ」35話
戸田恵子の完璧な「あ」「り」「が」「と」「う」「まれ」36話
テレサ・テンの歌が染みた「まれ」37話
希、家族との別れ「まれ」38話
石原さとみに負けてない。土屋太鳳の唇から目が離せない「まれ」39話
愛だけでは困ります「まれ」40話
お菓子バカに弟子入り「まれ」41話
希、ファーストキスを奪われる「まれ」42話
傾向として、月曜日はまったりしています。
横浜編の2週目、全体としては8週目の「危機的クリスマスケーキ」のはじまりは、希(土屋太鳳)が、池畑大悟(小日向文世)の息子・大輔(柳楽優弥)にキスされて大騒ぎしつつ、1ヶ月の研修がはじまってドジをしまくります。
下働きばかりのうえに失敗ばかりして落ち込んでしまう希でしたが、圭太(山崎賢人/崎の大は立)もずいぶん長いこと漆を塗らしてもらえなかったことを
思い出して、自分を奮い立たせるのでした。
それにしても、電話でもしゃべらない高志にはびっくり。さらに、それでも言いたいことの意味をわかってしまうみのりにもびっくり。もはやSFの世界です。
43話で気になったのは、この高志とみのりの以心伝心のほか、やっぱり希の貞操問題です。
好きでもないひとにファーストキスを奪われた希の尋常ならざる拒否反応は、まるで貞操を奪われたくらいの勢い。不名誉な出来事をなかったことにしようと必死になるも決して消えない苦しみを、あくまでもコミカルに描いてはいたものの、例えば、これがキス以上だったら大事件なわけで。
希にとっては唇だって大事な貞操。なにしろ、甘いお菓子ばかり食べていた唇です。第7週でお菓子を美味しそうに食べる土屋太鳳の唇を強調して撮っていたことがキスシーンにつながっていたのかと思うと、にくいな。
ひとは美味しく甘いケーキだけでは生きていけなくて、もっとある種の心身の痛みを伴うことによって希の人間性が複雑なものに変わっていく。その現れとして朝ドラ的に許されるのはキスシーンくらいまでですよね、たぶん。
横浜編では希がこれまで能登と家族の光に包まれていた分、影部分が出てくるのかなと想像しています。希はかなり暢気に育っていて、貧乏もそれほど彼女に影を落としていませんし、いまのところ死や戦争、不可抗力による事故などにも遭っておらず、ドラマが登場人物に変化成長をもたらす通過儀礼のようなものが希には決定的に不足しています。希のなかにはいわゆる影部分が未だないのです。
だからこそ、中華料理店・天中殺が朝ドラの舞台にしてはディープな夜の世界ふうになっているのではないでしょうか。激辛中華も甘いケーキの逆ですし、夜、お酒を飲んで希にせまってきた大輔(翌日忘れてしまっている)も影部分担当要員なのでしょうか。
先輩パティシエ・陶子(柊子)のイジメもはじまりそうですし、希のこれからが気にかかります。
【勝手に、今日の名言】
「なまり子ちゃん」池畑大輔(柳楽優弥)
なまってる希をこう呼んだ。
(木俣冬)
タイトルバックに驚いた。NHK朝ドラ「まれ」1話をレビュー
お金がなくても生きていける「まれ」連続レビュー2話
朝ドラファンなら大泉洋と能年玲奈との共演作をチェックすべし「まれ」3話
ダメ男たちのドラマなのか「まれ」4話
いつも笑ってる家族が欲しかったら 自分でみんなを笑わせてみよう「まれ」5話
いよいよ土屋太鳳(本名)登場「まれ」6話
公務員の魅力をキラキラ語る土屋太鳳「まれ」7話
田中裕子の魔性について考えてみた「まれ」8話
「あまちゃん」との違いは時間の描き方なのかも「まれ」9話
本当の駄目人間とは「まれ」10話
こわくても夢をかなえたい「まれ」11話
地に足のついた「夢」を「まれ」12話
祭りん時の女の言葉をちゃ鵜呑みにしたら駄目やわ「まれ」13話
大泉洋の詩的な身体「まれ」14話
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「聖者の行進」とは何の暗示か「まれ」18話
なあんもせんかったら怒られもせんけど仕事も覚えんわいや 「まれ」19話
大泉洋、門脇麦、田中泯、板尾創路…俳優たちの名言合戦「まれ」20話
やっぱり本当の家族が強いのか「まれ」21話
希家族、引っ越す「まれ」22話
ビジネスチャンスは規則の外にあるんだよ「まれ」23話
文さんクイズとは何だったのか「まれ」24話
タイトルに秘められた謎「まれ」25話
不吉な予感の「まれ」26話
国が悪いんげんよ「まれ」27話
「俺は漆にかぶれるんだ」板尾創路真骨頂「まれ」28話
金八の腐ったみかん、加藤登場に騒然「まれ」29話
漆もミルフィーユもレイヤー化する社会の象徴なのか「まれ」30話
フランスからおばあちゃん登場「まれ」31話
口ではなく手で「まれ」32話
卵は入れる前に常温に戻しておく「まれ」33話
夢と家族の大事さは比べられない、次元が違う「まれ」34話
妻が夫を駄目にする「まれ」35話
戸田恵子の完璧な「あ」「り」「が」「と」「う」「まれ」36話
テレサ・テンの歌が染みた「まれ」37話
希、家族との別れ「まれ」38話
石原さとみに負けてない。土屋太鳳の唇から目が離せない「まれ」39話
愛だけでは困ります「まれ」40話
お菓子バカに弟子入り「まれ」41話
希、ファーストキスを奪われる「まれ」42話