今年で戦後61年目を迎える。戦時中、若者は国のために戦うことが名誉だったが、現在の若者は戦争が起きた時、国のために戦うのだろうか。

 電通総研と日本リサーチセンターがまとめた「世界60カ国価値観データブック」の統計によると、“もし戦争が起こったら国のために戦うか”の問いに「はい」と答えた日本人の比率は15.6%と参加国36カ国中、一番低いという結果が出たのだ。「わからない」の回答比率も37.7%と世界第1位を記録。ちなみに「はい」と回答した比率の低い第2位はドイツ、3位はスペイン、5位はオーストラリア・・・。

 “愛国心がなさすぎ!”とか“命を惜しんでる”“若者が軟弱になった”など批判されそうだが・・・。この件について独自にアンケート調査をしたところ、「国のために戦う? 絶対ヤダ」(17歳・女子高生)、「死なないならいい」(20歳・男子大学生)、「まず行かないっすね〜」(19歳・たたみ職人)などの意見が見られたのも事実。

 「そもそも日本は憲法で戦争放棄をしています。私たち日本人は、戦うということを国の決まりで禁止されて育ってきた。それなのに突然、国のために戦いますか? と聞かれても、困るでしょう。わからないと答えた人が大半なのもそれが主な理由ではないでしょうか?」(某大学政治経済学部教授)

 戦時中の日本を忠実に再現したマンガやドラマで戦争の悲惨さを伝え知った世代。彼らが戦争を避けたい気持ちになるのは当然なのではないだろうか。

 なにはともあれ、戦争のないピースフルな日本であるように、これからも祈るばかりだ。(平田桃子/verb)

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社会実情データ図録「もし戦争が起こったら国のために戦うか」 - 文中で紹介した統計結果が掲載されたWebサイト