14日の新車発表会で、記者団の質問に答えるトヨタの渡辺社長(撮影:吉川忠行)

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トヨタ自動車<7203>の渡辺捷昭(かつあき)社長は14日、東京都豊島区の同社ショールームで行った新車発表会で、先月に資本・業務提携を基本合意した富士重工業<7270>との連携について「開発や生産分野で具体的な実施事項を決めて、実行すれば必ず成果は上がる」として、基本的な提携内容を年内にもまとめることを示唆した。

 トヨタにとって、急激な生産増に対応するための人材の確保は懸案事項のひとつ。1000人の人員削減を06年3月末までに行う富士重から、労働者を再雇用する可能性について、渡辺社長は「それも可能性としてはゼロではないが、話は受けていない」とし、「検討に値する話かもしれない」と含みを持たせた。

 また、原油高や自然災害を背景にゼネラル・モーターズ(GM)やフォードの経営不振が続く北米市場について、渡辺社長は「これからも米国の景気のファンダメンタルは変わらない。希望も含めて、前のペースに戻るのではないか」と、昨年並みの販売台数を達成できる見通しを示した。

 10月の新車販売台数が同期比で34年ぶりの低水準だった国内市場について、05年度の国内需要見通し(軽は除く)410万台は「10月までの状況を見ると達成は少し難しい」としながらも、相対的に伸びている軽自動車を含めると総数は昨年並みとの見解を示した。【了】

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