ソフトバンク、スプリントとのシナジー第2弾「アメリカ放題」などの「iPhone 6」や「iPhone 6 Plus」向け各種施策などの説明会を開催【レポート】

説明会にはソフトバンクのテレビCMでもおなじみのお父さんとお兄ちゃんも登場

ソフトバンクモバイルは17日、新サービスに関する記者説明会を開催し、買収したアメリカ(米国)の携帯電話会社であるSprint(スプリント)との"シナジー第2弾"となる「アメリカ放題」などの今月19日に発売するAppleの新しいスマートフォン「iPhone 6」および「iPhone 6 Plus」向けの各種施策を紹介しました。

登壇したソフトバンク代表取締役副社長の宮内謙氏はiPhone 6およびiPhone 6 Plusに合わせて行われる予定の各社の下取り合戦などについて、他社が仕掛けてきたことにはすぐに対抗するとしながらも、今年上期に起きていたキャッシュバック合戦のような状態になることを懸念し、長年に渡り、iPhoneを扱ってきたことによる販売店のスタッフの能力など総合的に競争していくなどの考えを明らかにしてました。

今回はそんな記者説明会の模様をプレゼンテーションの写真を中心に紹介していきたいと思います。



アメリカ放題はソフトバンクモバイルの利用者が対象となるアメリカ(アメリカ本土やハワイ、プエルトリコ、バージン諸島・アメリカ領)に行った時にアメリカの携帯電話会社であるSprintのネットワーク(エリア)なら日本にいる時と同等の料金で通話・通信が気軽にモバイルコミュニケーションが利用できるサービスです。サービス開始はiPhone 6などが発売される9月19日(金)。

月額利用料980円(税抜)ながらサービス開始を記念して、月額利用料無料で利用できるキャンペーンを実施し、新料金プラン「スマ放題」でデータ定額パック(5GB)以上を契約している場合には終了期間がなく利用料が無料、さらに既存のホワイトプラン(とパケットし放題)やスマ放題+パケット定額パック(2GB)の利用者もキャンペーン終了日は未定で、決まり次第、別途案内予定だとしています。

通信については国内と同じような通信量に応じた速度制限はあるものの、日本にいるのと同じように通信できるとのこと(初出で「3日間で1GBを越えた場合の速度制限は対象外」としていましたが、ソフトバンクモバイル広報部から訂正が入り、なんらかの通信制限は行なうとしています)。そのため、各プランのおける月当たりのデータ通信量はSprintのネットワークで利用した場合もカウントされるということです。



利用するにはまずSIMカードをローミングできる状態に登録しなければいけないため、現在利用している場合にはSIMカードを交換する必要があり、現地での操作は不要で、ローミングオフのまま使えるとのこと。ただし、利用方法はローミング時と同様に日本にかけるときには「+81」の国番号を付ける必要があり、アメリカにかけるときには国番号は必要はないということです。

現地のネットワークはサービス開始当初は3G(CDMA 1X 2000)のみとなっているものの、年内、早ければ10月終わりから11月はじめには4G(TD-LTE)に対応する予定。対応機種はiPhone 6およびiPhone 6 Plusのみで、これは同一機種でW-CDMAとCDMA 1X 2000、FDD-LTE、TD-LTE(AXGP含む)に対応しており、ソフトバンクモバイルとSprintが利用している周波数帯に対応しているといった技術的な問題となっており、将来的には他機種でも対応するように検討はしてきたいとしていました。

なお、質疑応答では先日発売されたソフトバンクモバイルとSprintで共同調達した「AQUOS CRYSTAL」について対応しないのか問われましたが、AQUOS CRYSTALはアンテナがソフトバンクモバイル向けとSprint向けで細かく違っているため対応していないと説明されていました。

なお、今回、ソフトバンクモバイルからSprintへの国際ローミングにも対応しており、W-CDMA事業者がCDMAネットワークで国際ローミングを行うのは世界初となるとのこと。






続いて、iPhone 6およびiPhone 6 Plusに合わせて開始される「のりかえ下取りプログラム」や「タダで機種変更キャンペーン」などの各種施策について説明があり、宮内氏は「NTTドコモが5、6年前からずっとiPhoneをやっている当社の顧客をターゲットにして他社から乗り換え(MNP)時の下取りキャンペーンをやるというアグレッシブなことをやってきた。そういうことに対してはこれまでも24時間以内に対応するといったことをやってきたが速攻で対抗する。」と述べた一方、「他社から乗り換え(MNP)がエスカレートするとまた今年の2〜3月みたいな消耗戦になり、既存の利用者などに不平等じゃないかという議論が起こる可能性もある。」とし、懸念を示しました。

また、iPhoneを3社が扱うようになったことについては「前回の昨年、NTTドコモが新たに参入したときも思った。」と前置きし、「(ソフトバンクモバイルが)iPhoneのスタート段階から扱っており、現在も主力商品としてiPhoneを提供している。販売店のスタッフの能力も非常に高いのは他社に対する強みとなっている。」と説明。

なお、下取りした他社の機種については海外でリサイクル品として再販売するとし、これには買収した携帯電話販売会社のBrightStar(ブライトスター)のノウハウが活かされるとのことで、ここでも買収した企業とのシナジーが生まれています。







また、iPhone 6およびiPhone 6 Plusが多くの周波数帯に対応し、今回新たにTD-LTE互換のAXGPにも対応したことで、国内では傘下のWireless City Planning(WCP)が構築する下り最大110Mbpsの「SoftBank 4G」を利用できるようになります。このAXGPの基地局はすでに5.2万局が設置されており、超高密度ネットワークとしてトラフィックの多い都市部などでの速度低下に役立つとしています。

さらに、下り最大速度が100Mbpsを超える対応基地局数でも他社を圧倒する6.7万局が設置されているとのこと。

これにより、実際に出る通信速度「実効速度」がスマートフォンでは大事だとし、400万件のビッグデータから実効速度はソフトバンクモバイルがNo.1であることを示していました。また、これまでにもアピールしてきた接続率No.1についても通話および通信で保持しているとのことです。

この他、プラチナバンド900MHz帯におけるLTEについては現在も既存の事業者が利用しており、年末までに残り1〜2社程度になる予定であるとし、フルで利用できるようになるにはもう少し時間がかかるということでした。













記事執筆:memn0ck


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